会議発表・論文・出版
2024.12.05
私たちの身の回りにある液体は、固体表面に触れると、その性質によって様々な濡れ方を見せます。この濡れ現象は、塗料やインクの塗布、印刷など、私たちの生活を支える多くの産業において重要な役割を果たしていま
研究分野 | 材料・プロセス工学、ナノ材料科学、化学工学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 化学工学会、日本化学会、応用物理学会 |
研究概要 | カーボンニュートラル社会実現に資するナノ材料・プロセス創成 |
カーボンニュートラル社会の実現に向け、社会を構成する様々な単位で変革が求められています。中でも、原料を化石資源に大きく依存する化学産業では、従来の化石資源依存から脱却し、CO2、廃プラスチック、バイオマスなどを原料とした新たな化学製品合成ルートを実現すること、それにより新たな炭素循環を形成していくこと、が求められています。われわれのグループではこの難題に対し、新しいナノ材料、プロセス、さらにシステム開発を通じ、その解決に取り組んでいます。 われわれの研究の特長は、材料制御、プロセス制御に、「超臨界流体」をつかうことです。臨界点を超える温度・圧力状態にある物質を超臨界流体と呼びますが、超臨界状態ではわずかな温度圧力操作で溶媒物性を大胆に変化させることが出来ます。例えば、通常相分離する水とガス(CO2)、水と有機物(廃プラスチック、バイオマス、etc.)が、超臨界状態では均一相を形成できるようにもなります。このような超臨界流体の性質を利用して、有機-無機相互作用を利用したナノ材料のサイズ・形状制御を実現し、さらにナノ材料を利用して、CO2排出が抑制できる炭化水素の低温改質など新プロセスを提案してきました。 さらに近年では、新たな物質輸送/反応の駆動力、また分析手法として、電気化学を取り込み、超臨界ナノ材料合成の更なる制御性の獲得、超臨界プロセスの高効率化、高速化の実現を試みています。ナノ材料の高次制御、さらにナノ材料特性を最大化する超臨界プロセス設計を通じて、高効率な炭化水素、CO2の化学原料化プロセスを実現すること、さらに、物質フローだけでなく、人の行動様式の変化も考慮しながら、希望に溢れた未来社会を提案していくこと、がわれわれの大きな目標です。 |