会議発表・論文・出版
2021.08.19
チタン酸バリウムは、電場印可によって分極方向を反転することができる強誘電体であり、スマートフォンや自動車用の積層セラミックコンデンサなど幅広い応用をもち、産業的に重要な材料です。分極反転はミクロンサ
研究分野 | 電子線結晶学、収束電子回折、ナノ局所構造物性、構造相転移 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本物理学会、日本顕微鏡学会、日本結晶学会 |
研究概要 | 透過電子顕微鏡・ナノ電子プローブを用いたナノスケール局所構造物性研究 |
省エネルギー・省スペース・高効率などを目指した微細なデバイス・機能材料の開発では、ナノスケールの局所構造と物性との相関を調べることがきわめて重要です。この目的で、われわれのグループは、収束電子回折(Convergent-beam electron diffraction: CBED)法による局所結晶構造・静電ポテンシャル分布解析法の開発とその応用に取り組んでいます。 CBED法は、透過型電子顕微鏡でナノ電子プローブを用いることで、放射光X線・中性子回折法では不可能な、材料のナノスケール局所領域から精密な回折強度データを直接得る方法です.われわれは、精密構造解析用エネルギーフィルター透過型電子顕微鏡の開発と、多重散乱(動力学回折)理論に基づく汎用の構造解析ソフトウェアの開発により、CBED法による定量的な局所結晶構造・静電ポテンシャル分布解析を世界で初めて実現しました。さらに、走査透過電子顕微鏡(STEM)法とCBED法を組み合わせることで、ナノスケール空間分解能で局所結晶構造の変化をマッピングする新たな手法(STEM-CBED法)を開発しました。 この方法を、現在、構造相転移を起こす強誘電体・強相関電子系酸化物・固体酸化物燃料電池材料・長周期積層合金等に適用しており、さらに学際的な応用を目指してナノ局所構造物性研究の開拓を進めています。 |