お知らせ
2023.02.27
新領域創成研究部の千葉杏子助教と先端学際基幹研究部の丹羽伸介准教授らの論文が、日本分子生物学会の国際学術誌『Genes to Cells』において、2021年1月~2022年12月に出版された中で被
研究分野 | 生化学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本分子生物学会、日本生化学会、アメリカ細胞生物学会 |
研究概要 | |
私達の生活はさまざまな物流システムによって支えられています。人を運ぶ電車、コンビニの荷物を運ぶトラック、石油を運ぶタンカー…。それらが緻密に入り組んで現代の生活は成り立っています。同じように私達の体の中にも荷物を運ぶ仕組みが存在します。私は細胞内輸送と呼ばれるこの仕組みについて研究を行っています。 私が着目しているキネシンというタンパク質は細胞内でミトコンドリアやシナプス小胞を運ぶタンパク質です。人間の世界では貨物トラックに相当します。キネシンはエネルギーの無駄遣いを防ぐために通常は車庫に入った状態(不活性化型)ですが、何らかのスイッチによりエンジンのかかった状態(活性化型)となり輸送を開始します。このスイッチングの仕組みはまだよく分かっていません。 私はキネシンの動きを直接観察できる一分子観察法を用いてキネシンが活性化する分子機構の解明に取り組みます。脂質などの生体因子を一分子観察に取り込むことで細胞内輸送をこれまでになく再現したin vitro再構成系を構築します。 キネシンは神経変性疾患の原因です。治療法開発のためにはキネシンがどのように制御されているか明らかにする必要があります。本研究でキネシン活性化のメカニズムを明らかにすることで新たな治療法確立に繋げたいと思っています。また病原微生物が細胞内に侵入した際は、微生物由来のタンパク質が内在タンパク質に代わり細胞内輸送をハイジャックします。このような乗っ取りが起こる理由も明らかにしたいと考えています。 |