東北大学
学際科学フロンティア研究所

新領域創成研究部

藤林 翔Sho Fujibayashi

助教先端基礎科学

メンター教員
准教授
田中 雅臣(大学院理学研究科)
研究分野 相対論的天体現象
主な研究テーマ
  • 高エネルギー天体現象
  • 宇宙の元素の起源
  • マルチメッセンジャー天文学
所属学会 日本天文学会、日本物理学会
研究概要  

生まれた直後の宇宙には、水素やヘリウムといった、軽い元素しか存在していませんでした。私達の体を作っている炭素などのより重い元素は、宇宙の長い歴史の中で、何らかの天体現象により作られてきました。金やプラチナ等の重元素の一部の起源となる天体現象は60年以上の間謎のままであり、宇宙物理学の未解決重要問題の一つとなっています。

中性子星やブラックホールといった強重力天体の連星系が重力波を放出しながら合体する現象は、現在稼働中の重力波望遠鏡の重要なターゲットです。一方でその現象では、中性子星の一部だった物質が飛散し、その中で重元素合成が起こることが期待されて来ました。このとき、重元素合成が起こった飛散物質は特徴的な光で輝くため、この現象で放出される重力波と合わせてその電磁波を観測する“マルチメッセンジャー天文学”で金やプラチナの起源に迫ることができます。 私は、数値シミュレーションを用いて、そのような連星合体現象において合成される元素や放射される電磁波を予言し、観測データと比較することで重元素の起源を探求しています。また、観測データと理論予測を照らし合わせ、合体した連星の性質を明らかにしたいと考えています。その他に、強重力天体が関係する天体現象一般に興味があり、重い星がその一生の最後に起こす超新星爆発や、ブラックホール誕生に関する数値シミュレーションも行っています。

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