会議発表・論文・出版
2018.12.02
新領域創成研究部の井田大貴助教は、金沢大学の髙橋康史准教授,東北大学の末永智一特任教授,Johns Hopkins大学のMingwei Chen教授らとの共同研究において,走査型プローブ顕微鏡の一種
研究分野 | 電気化学・プローブ顕微鏡・生細胞計測 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 電気化学会・細胞生物学会・生化学会 |
研究概要 | |
我々は普段、視覚を通じて光から物体を観測していますが、微小領域では光の波長に起因する分解能の制限が存在します。従って、機能発現に重要な役割を担うナノスケール領域を把握するには、一般的な光学系以外の手法が求められます。そこで、ナノ領域の構造・化学的な変化を捉えるため、現在まで様々な可視化技術が開発されてきました。走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、ナノスケール領域の観察が可能な技術群の一つであり、針状に尖ったプローブを走査して、プローブ-試料間で生じる種々の物理量から像を取得できます。私は、その中でも電気化学反応を利用して像を取得するSPMを専門としており、装置開発や計測を行っています。 主に用いている走査型イオンコンダクタンス顕微鏡(SICM)は、試料近くで生じる電流の減少を利用しているため、試料との力学的な相互作用を必要とせず、試料表面のナノスケールの形状などを計測できます。従って、繊細な細胞にダメージを与えることなく、自然な状態の細胞の動きを観察できます。また、プローブにナノスケールまで先鋭化したガラスピペットを用いるため、ピペット系を利用した局所刺激・回収・改変なども可能です。 私は、SICMを用いた形状測定、局所ハンドリングなどから、細胞機序の解明につながる知見の獲得を目指し、研究を行っています。他にも、用途に応じて様々な電気化学顕微鏡技術を開発・使用しており、生物試料以外の様々な領域への展開を模索しています。 |