会議発表・論文・出版
2024.09.24
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生体情報継承学分野の楠山譲二テニュアトラック准教授(2022年9月まで学際科学フロンティア研究所助教)の研究グループは、東北大学学際科学フロンティア研究所の石井
研究分野 | 医用超音波、生体内流体、診断支援技術 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | IEEE、日本超音波医学会、日本排尿機能学会 |
研究概要 | |
高齢化社会おいて健康長寿を支える医療技術は益々重要となっています。加齢に伴う体の変化によっておこる疾患は慢性化しやすく、患者の生活の質を維持・向上するために、効果的で効率的な診断治療技術の発展が欠かせません。本研究が対象とする下部尿路症状(蓄排尿に関する様々な症状の総称)もまた、加齢による膀胱や尿道周辺臓器の機械的機能的な変性が一次要因であり、60歳以上の7割に潜在的に症状が見られるとも言われており、新たな治療法の開発が活発です。一方、尿路性状の客観的評価は、膀胱内の圧力計測などによる間接的な方法に限られており、患者固有の尿道内腔の性状と排尿症状との物理的因果関係を直接見たり、評価することは困難でした。 本研究では、高速超音波撮像法と呼ばれる技術に基づいて、1秒間に1000枚を超える高い時間分解能で、尿道周辺の臓器形態や運動と排尿流の変動を非侵襲的に取得する、超音波尿流動態イメージング技術の確立を目指します。さらに、この新しい超音波システムで得られる臓器と内部流れの力学的相互作用の解析を通じ、下部尿路症状の流体力学的メカニズムを明らかにしていきます。こうした研究を通じ、下部尿路症状の効率的な治療計画や定量的評価を実現する新しい診断アプローチの創成を目指していきたいと思います。 |