東北大学
学際科学フロンティア研究所

新領域創成研究部

金村 進吾Shingo Kanemura

助教先端基礎科学

メンター教員
教授
中林 孝和(大学院薬学研究科・薬学部)
研究分野 生化学、生物物理学、ウイルス学
主な研究テーマ
  • 細胞外レドックスを介した生体防御システムの解明
  • レドックス制御メカニズムの解明
所属学会 日本蛋白質科学会、日本生化学会、日本分子生物学会
研究概要  

生命はタンパク質によって維持されています。ヒトゲノムに含まれるタンパク質をコードする遺伝子は現在までに約2万個同定されており、これら遺伝子から10万種以上のタンパク質が翻訳されると考えられています。そのうち約40%が膜タンパク質または分泌タンパク質であると予測されており、そのほとんどは少なくとも1つのジスルフィド結合を有していることがわかっています。ジスルフィド結合は、タンパク質中の2つのシステイン残基のチオール基間の共有結合です。タンパク質の立体構造安定性に重要な役割を果たすジスルフィド結合の形成は、主に細胞小器官の一つ小胞体で起こります。細胞外環境においてもジスルフィド結合の形成や切断(レドックス反応)が起こっており、活性、リガンド親和性、局在化、多量体化などのタンパク質機能の変化を媒介することはわかっていますが、細胞内レドックスに比べて細胞外レドックスの理解はまだまだできていません。

私はこれまでに小胞体内(細胞内)におけるレドックスネットワークの一端を明らかにしてきました。今後は細胞外レドックスの理解へと研究範囲を拡張していきます。現在では、細胞外レドックスと生体防御システムとの関連に着目した研究を展開しており、生化学、構造生物学、細胞生物学、ウイルス学、計算科学、有機化学、薬学分野などを融合した学際研究により「細胞外レドックスを介した生体防御システムの理解」を目指しています。

 

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