受賞
2019.12.13
新領域創成研究部 北嶋直弥 助教
『The 29th Workshop on General Relativity and Gravitation in Japan (JG
助教先端基礎科学
研究分野 | 初期宇宙論、素粒子物理学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本物理学会 |
研究概要 | |
現在我々の住む宇宙は、その構成要素の約95%が暗黒物質、暗黒エネルギーといった未知の成分で占められており、これらの正体解明は現代の基礎科学における最重要課題の一つとなっています。一方、残りの約5%は現在の物理学の範疇で理解でき、特に17種の素粒子から成る「標準模型」が確固たる地位を確立しています。しかし、理論的な問題や説明困難な現象もいくつか存在することから、森羅万象の理解には標準模型だけでは不十分だとも考えられています。 故に現在では、標準模型の背後には何か新しい物理が隠されていると広く信じられていて、その中の未発見の新粒子が暗黒物質を担うという説が有力です。「アクシオン」はその一例で、暗黒物質の候補となっています。しかし、通常の物質との相互作用が極めて微弱であるという性質から、アクシオンの検出は困難で、現状では未だ実験による発見/否定には至っていません。 そこで私は(1)宇宙初期におけるアクシオンの進化のシミュレーション、(2)テーブルトップ実験によるアクシオンの直接検出という2通りのアプローチでアクシオンに関する研究を進めています。特にアクシオンの進化の痕跡が現在の宇宙に残されているか、次世代の観測技術でそれを捉えられるかといった間接検出の議論や、最近の進展著しい低エネルギー物理学や物質科学の知見を生かした新しい直接検出実験の提案なども様々な分野の専門家と力を合わせて行いたいと考えています。 |