東北大学
学際科学フロンティア研究所

新領域創成研究部

工藤 雄大Yuta Kudo

助教生命・環境

メンター教員
教授
山下 まり(大学院農学研究科)
研究分野 天然物化学、有機化学、生化学
主な研究テーマ
  • 神経毒テトロドトキシンの新規類縁体の探索、生理活性評価、生合成研究
  • 微生物由来の新規二次代謝産物の探索
  • 放線菌シグナル分子の研究
所属学会 日本農芸化学会、 American Society of Pharmacognosy
研究概要  

生物は生命活動自体には必須な一次代謝とは別に、二次代謝と呼ばれる経路を持つ。二次代謝による生産物(二次代謝産物)は多種多様な生理活性を持ち、臨床医薬品の約6割が二次代謝産物に由来している(抗生物質、抗がん剤、農薬など)。一方、二次代謝の機構は未だ理解が乏しく、その潜在能力が有効に活用されているとは言い難い。微生物、特に研究室での取り扱いが困難な難培養性微生物は環境中の99%以上を占めると言われ、未利用の二次代謝資源の宝庫といえる。培養に依存しない遺伝子配列解析技術であるメタゲノム解析と化学分析の手法を駆使した二次代謝研究を展開したい。

1.天然毒テトロドトキシン(TTX)の生合成経路の解明
最も有名な神経毒、フグ毒テトロドトキシン(TTX)が自然界で如何にして生産されるか(生合成)は長年の大きな謎であり、その化学構造の複雑さから予測すら困難であった。我々はこれまで化学分析の手法を駆使してTTXの生合成経路の仮説を立ててきた (Kudo, Y., et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2014 and 2016など)。仮説を基にメタゲノム解析を実施し、難攻不落であるTTX生合成経路の解明を目指している。

2.ゲノムマイニングによる新規二次代謝産物の探索
生物のゲノム上には未利用の遺伝子資源が眠っている。二次代謝研究において、遺伝子とは「化合物の設計図」である。遺伝子配列データベースの拡充から、未知の設計図であっても徐々に解読が可能になってきた(ゲノムマイニング)。メタゲノム解析やデータベース解析から、「未知の生合成遺伝子=新たな化合物の設計図」を探索し、新たな有用化合物の発見に繋げたい。

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