受賞
2023.03.28
新領域創成研究部の工藤雄大助教が筆頭・責任著者として出版した論文が、日本農芸化学会英文誌『Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry』に掲載された優秀
研究分野 | 天然物化学、有機化学、生化学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本農芸化学会、日本水産学会、日本生薬学会、毒素シンポジウム、マリントキシン研究会、American Chemical Society、American Society of Pharmacognosy |
研究概要 | |
生物は生命活動に必須な一次代謝に加えて、二次代謝と呼ばれる経路を持ちます。各生物が生存戦略のために独自に進化させてきた二次代謝経路では、多種多様な機能を持つ「スペシャルな」天然化合物が生産されます(二次代謝産物)。フグ毒のような危険な自然毒の他、抗生物質や抗がん剤などの有用化合物も知られ、数多の薬剤を供給してきた実績を持ちます。さらに、想像を超える特異な化学構造を有することが多々あり、自然界からの新規化合物の発見には大きな魅力が有ります。 新規性の高い化合物の発見例が減少していることがしばしば問題視されますが、これまで検出が困難で見落とされてきた化合物や、人工培養が困難な微生物の代謝産物など、手付かずの二次代謝資源は無限にあります。私は質量分析器を駆使した精密分析や(メタ)ゲノム解析に基づく新たな天然化合物の探索を行っています。両生類イモリに含まれる神経毒テトロドトキシン(フグ毒と同一成分)、微生物由来の抗マラリア活性化合物や二次代謝制御分子 (シグナル分子)などを主な対象として、興味深い天然化合物を発見してきました。また、自然界で如何にしてテトロドトキシンのような複雑な天然化合物が構築されるか(生合成)、という長年の謎の解明にも取り組んでいます。 |