東北大学
学際科学フロンティア研究所

新領域創成研究部

許 勝Sheng Xu

助教物質材料・エネルギー

メンター教員
教授
大森俊洋(工学研究科・工学部)
研究分野 金属材料、組織制御
主な研究テーマ
  • 弾性及び超弾性合金の開発
  • 弾性歪みエンジニアリング
所属学会 日本金属学会、日本鉄鋼学会、形状記憶合金協会
研究概要  

金属材料は社会基盤技術であり、今後もその重要性が変わることはないでしょう。さらに、近年「脱炭素社会」や「水素社会」をはじめとする、持続可能なより良い社会を構築するためには、多様な革新的な金属材料の開発が急務とされています。

私の研究は、弾性変形に特徴を有する金属材料に焦点を当てています。弾性変形は、結晶格子内の原子間距離の可逆的な変化を利用したものであり、その制御により、材料の物理的・化学的特性を調整し向上させることが期待されます。これまでの研究で、私は従来の金属材料の弾性歪み0.5%を大きく超える、4.3%以上の弾性歪みを実現する新銅系合金の開発、及び負のポアソン比を持つ金属材料の創出に成功しました。弾性歪みは原子間距離を変化させて様々な物性に影響を与えるため、大きな弾性歪みを与えることで、新機能を持つ材料や新しい応用領域開発への道が開けることが期待できます。そこで、私のこれからの研究では、銅系合金で得られた特異な弾性特性の起源を明らかにし、それを基に材料設計の指針を確立しようと考えています。さらに、新たな材料設計と材料組織の制御を通じて、特性の安定化と向上を図ります。多彩な弾性機能を活かして、生体材料など新たな応用領域への挑戦も計画しています。これらの研究により、金属材料における特異な弾性変形現象に対して実験的にも理論的にも深く掘り下げ、応用の観点からその具体的な優位性を示し、『弾性歪みエンジニアリング』の分野を開拓したいと考えております。

関連記事一覧

    PAGE TOP