新領域創成研究部

研究分野 | 超分子化学・有機化学・材料科学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本化学会、日本基礎有機化学会 |
研究概要 | |
分子集合は分子が集まって新たな構造体をなす現象です。分子集合体は、構成要素となる小さな分子単体では実現できない、新しい物性を示すことがあります。例えば、酵素などのタンパク質はアミノ酸の複雑配列により構築された柔軟な多点認識空間を使うことで、生体環境内の夾雑的な分子群の中から所望の基質を認識します。一方で、人工固体材料の研究は日進月歩の勢いで進んでいるものの、タンパク質が実現しているような (1) 構造柔軟性を持つ空間の創出 (2) 多点認識空間の構築 (3) 構造-機能相関関係の解明 は未だ困難を極めています。 この課題に対する解決策の一つとして、私は新しい多孔性材料の開発に取り組んでいます。多面体型分子を節、柔軟な有機リンカー分子を枝として連結することで、nmサイズの有機分子を取り込むことが可能な孔を有した多孔性ネットワーク材料を合成します。有機合成的なアプローチにより基質の認識機能発現に重要な部分構造だけを合成することで、ネットワーク材料の節と枝に対応する構成分子の構造と基質認識機能の相関関係を解明します。この部分構造をさらに集積化することで、固体材料としての応用展開を目指しています。具体的には、微量汚染物質の高効率検出や生体活性分子の輸送などの技術への応用を目指しています。 |