お知らせ
2024.11.01
学際科学フロンティア研究所は、株式会社ミルボンからの寄附を受け、生体最先端計測研究寄附研究部門(ミルボン)を設置しました。
新領域創成研究部の奥村正樹准教授が代表を務める本部門では、蛋
研究分野 | 物理有機化学・ナノ材料科学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本化学会、フラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会 |
研究概要 | |
近年、希少資源・環境問題などの観点から、従来の無機半導体だけでなく、有機半導体に注目が集まっています。有機半導体の種類は膨大ですが、多くは伝導度に乏しく、また、用途に適した物性を有する有機半導体材料をすべて設計・合成することは容易ではありません。 このような問題を解決する手法として、異種分子を添加する『ドーピング』が知られています。ドーピングは無機半導体分野において広く用いられ、例えばシリコン半導体に微量のリン原子を添加すると、電子伝導性に富んだn型半導体へと変化します。有機半導体に対しても金属原子や異種分子を添加することでドーピングが達成されますが、異種分子添加による結晶構造の乱れ由来の性能低下、ドーパント添加量の限界など、多くの課題が残されています。 本研究では、外観構造が全く同じであるにも関わらず、電子の数が1つだけ違うという特異な二つの分子を合成し、これらを混合することで、高い伝導性と物性制御性を兼ね備えた新規有機半導体材料を創製します。構造が同じ分子をドーパントとして用いた場合、従来のドーピングの概念を超える高い割合での材料複合化が可能となり、また、結晶構造の乱れを抑制することができます。混合比別に物性をライブラリ化することで、既存の有機デバイスの高機能化を促進するだけでなく、幅広い物性を有する有機半導体の即時提供を可能とし、デバイス分野全体の飛躍的な進化を目指します。さらに、化学修飾が可能であるという分子のメリットを活用し、本材料をベースに化学反応を駆使することで、超高伝導性炭素ナノワイヤーや、未踏の炭素物質層合成にも挑戦します。 |