東北大学
学際科学フロンティア研究所

過去の在籍教員

在職期間:2018.4-2021.8

遠藤 晋平Shimpei Endo

助教先端基礎科学

メンター教員(当時)
准教授
佐々木 勝一(大学院理学研究科)
研究分野 量子物理学、少数・多体問題、強相関量子系
主な研究テーマ
  • 強く相関する量子少数系および多体系の普遍的振舞い
  • Efimov状態
所属学会 日本物理学会
研究概要  

我々の世界を構成する原子は、原子核と電子からなり、その原子核は陽子・中性子といった核子から成る。これらミクロな世界での原子、電子や核子が、量子力学に従い、互いに相互作用することで、「相関」し、多彩な集団的挙動を示す。相関する量子系を理解することは、新元素ニホニウム合成でも用いられた原子核衝突や、原子分子の化学反応、固体デバイス中の電子物性、さらには宇宙の元素合成の鍵となる中性子星など、広範な現象を理解することに直結し、現代科学の重要な課題の1つである。

これら全く異なるように見える系が、実は全く同じ挙動を示し、統一的に理解できることはあるのだろうか?そのキーワードとなるのが、強く相互作用する量子系が示す「普遍性(ユニバーサリティ)」である。近年の極低温まで冷やした原子気体の実験で、原子間相互作用を自由自在に変化させ、様々な量子系をシミュレートできるようになった。特に、原子が強く相互作用する際に現れる3原子状態が、原子核、磁性体で現れる3粒子状態と同じ挙動を示し、Efimov状態という現象として統一的に理解できることがわかった。3粒子で普遍性が成立するのであれば、4粒子、5粒子、さらには多粒子系はどうなのだろうか?

私はそのような量子少数系から多体系までが示す普遍性を探る。特に、3体相関を正確に取り扱う量子少数及び多体計算を、原子、原子核、電子系などにわたって行い、これら分野・階層の異なる系を統一的に理解することを目指す。

関連記事一覧

PAGE TOP