受賞
2021.07.02
受賞発表日/2021年7月1日
東北大学に所属する助教61名に「東北大学プロミネントリサーチフェロー」の称号が付与され、学際科学フロンティア研究所(学際研)からは39名が選ばれました。
研究分野 | 量子物理学、少数・多体問題、強相関量子系 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本物理学会 |
研究概要 | |
我々の世界を構成する原子は、原子核と電子からなり、その原子核は陽子・中性子といった核子から成る。これらミクロな世界での原子、電子や核子が、量子力学に従い、互いに相互作用することで、「相関」し、多彩な集団的挙動を示す。相関する量子系を理解することは、新元素ニホニウム合成でも用いられた原子核衝突や、原子分子の化学反応、固体デバイス中の電子物性、さらには宇宙の元素合成の鍵となる中性子星など、広範な現象を理解することに直結し、現代科学の重要な課題の1つである。 これら全く異なるように見える系が、実は全く同じ挙動を示し、統一的に理解できることはあるのだろうか?そのキーワードとなるのが、強く相互作用する量子系が示す「普遍性(ユニバーサリティ)」である。近年の極低温まで冷やした原子気体の実験で、原子間相互作用を自由自在に変化させ、様々な量子系をシミュレートできるようになった。特に、原子が強く相互作用する際に現れる3原子状態が、原子核、磁性体で現れる3粒子状態と同じ挙動を示し、Efimov状態という現象として統一的に理解できることがわかった。3粒子で普遍性が成立するのであれば、4粒子、5粒子、さらには多粒子系はどうなのだろうか? 私はそのような量子少数系から多体系までが示す普遍性を探る。特に、3体相関を正確に取り扱う量子少数及び多体計算を、原子、原子核、電子系などにわたって行い、これら分野・階層の異なる系を統一的に理解することを目指す。 |