過去の在籍教員
研究分野 | 微生物学、分子生物学、公衆衛生 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本ウイルス学会、日本感染症学会、日本細菌学会、国際感染症学会 |
研究概要 | |
感染症は太古から人類にとっての脅威であり、抗生物質が発見され、いくつかのワクチンが開発された現代においても公衆衛生・医学上の重要な課題です。特にウイルスによって引き起こされる感染症については、いまだ特異的な治療法はほとんどなく、その病原性メカニズムの理解も十分とはいえません。 新しい感染症が出現した際、これまでにも多くの研究者がその全容の解明を喫緊の課題として取り組んできています。例えば、2014年に西アフリカでエボラウイルス感染症が大流行したときには、その患者の臨床的特徴をまとめた研究、疫学的特徴を調べた研究、伝播・拡大の様子を数式化し流行の未来を予測した研究、流行を引き起こしたウイルスの起源を追究した研究、ウイルス学的な特徴をこれまでに報告されていたウイルスと実験的に比較した研究など、数多くの研究が相次いで発表されました。しかしながら、多くの重要な知見が明らかになる中で、個々の研究の間に有機的なつながりが欠けているという問題点がありました。 私は、これらの臨床ウイルス学・疫学・数理生物学・進化学・遺伝学・分子生物学を統合させた研究を行っていきたいと考えています。多角的なアプローチをとるのみに留まらず、1つの方法で得られた結果をほかの方法による研究に組み込み、その結果をもとの方法へと還元、あるいはさらに別の方法へと昇華させていく予定です。これによって有機的・発展的な新たなアプローチが可能となり、ウイルス感染症の統合的な理解を目指します。そして、研究によって得られた知見・成果を現場へと還元し、最終的にはウイルス感染症の制御に資することを目的としています。 |