東北大学
学際科学フロンティア研究所

過去の在籍教員

在職期間:2014.4-2019.3

泉 正範Masanori Izumi

助教生命・環境

メンター教員(当時)
准教授
日出間 純(大学院生命科学研究科)
研究分野 植物生理学、細胞生物学
主な研究テーマ
  • 葉緑体オートファジーの制御による光合成能力の維持と向上
所属学会 日本植物生理学会、日本土壌肥料学会、日本宇宙生物科学会
研究概要  

植物は、太陽光を利用し、CO2と水から酸素と有機物を生産する光合成により成長します。そして我々ヒトを含む動物は、炭水化物のような光合成由来有機物を摂取することで栄養を得ます。また現代産業を支える化石燃料も、太古の光合成産物の地中堆積に由来するものです。つまり我々は、生命・健康を支える食料から、生活・産業を支えるエネルギーまで、植物とその光合成機能に依存して暮らしていると言えるのです。ゆえに植物がいかに生きるかを解明していくことは、我々の生活と密接に関わる重要な研究です。さらに近年では、世界人口の増大に伴う食糧危機、化石燃料の消費に伴う大気CO2濃度の上昇、という諸問題に対応するため、光合成を中心とする植物の能力を詳細に理解し、その強化を実現していくことが重要な研究課題となっています。

光合成反応は、「葉緑体」という植物特有の細胞内小器官で行われます。私達はこれまでの研究で、「オートファジー」と呼ばれる現象により葉緑体が分解されることを明らかにしてきました(図を参照)。オートファジーは、隔離膜で取り囲んだ細胞質成分を、分解場所である液胞に輸送する機構です。さらに最近の私達の研究で、この分解が光合成能力の変動に直接関わることが分かってきています。オートファジーを中心とする葉緑体分解機構を分子レベルから解明することで、その制御を可能にする技術を構築し、光合成能力の強化につなげていくことが私の研究の目的です。その実現のため、現在は、光工学や医工学分野と連携した植物の先駆的なイメージング解析や、新たな研究材料を確立する共同研究等、目的達成に近付く新発見を目指した解析を行っています。それだけでなく、異分野の様々な研究者とのネットワークを構築、駆使していくことによって、植物がもつ力を社会・産業に還元できる研究領域を創り出すことも一つの目的とし、研究活動を行っていきます。

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