お知らせ
2021.09.24
新領域創成研究部の金田文寛助教の研究課題が、令和3年度のJST・戦略的創造研究事業(さきがけ)に新規採択されました。
採択課題は以下の通りです。
研究開発領域「革新的光科
研究分野 | 量子光学、量子情報 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本物理学会、米国光学会 |
研究概要 | |
光はこれまでイメージング、物理計測,情報通信,発電等,多岐にわたる応用技術に利用されてきました.これらのうち、情報通信では光子など「量子的」な光の適用により、量子コンピュータや量子暗号通信が実現され、劇的な情報処理の高速化・安全化が達成されると言われています。近い将来量子は多くの科学や産業分野にも普及することが予想されますが、私の大きな目標は実験室内だけでなく、より多くの実用的な場面で高精度に制御された光子を手軽に使えるようにすることで、その普及を容易にすることです。 光子を取り扱う上で厄介(または利点)なのは、古典光(身の周りにあるほぼ全ての光)の場合と異なり、コピーや増幅ができず、一度失うと取り戻すことはできないことです。したがって、ただ一つの単一光子を全く失わずに望まれた時間に100%の確率でオンデマンド生成できるデバイスの実現は実用上非常に重要です。しかし、この20年単一光子源の大きな改善は見られませんでした。 私はその20年以上低効率であったある方式の単一光子源を多数用意し、「多重化」する(塵も積もれば山となる)方式をとり、オンデマンド単一光子源実現を目指します。その実現のため、まず光子の操作(保存・取り出しや色の変更)をしても失われない超低損失光スイッチを開発します。その後学際的課題の第一段階として、光量子状態に対する生体物質の反応(例えば目の細胞は単一光子や複数の光子に対してどのように応答するのか)を調査する予定です。 |