東北大学
学際科学フロンティア研究所

過去の在籍教員

在職期間:2014.4-2019.3

鹿野 理子Michiko Kano

助教人間・社会

メンター教員(当時)
教授
福土 審(大学院医学系研究科)
研究分野 心身医学
主な研究テーマ
  • ストレス関連疾患
所属学会 日本心身医学会、日本心療内科学会、米国心身医学会、日本内科学会、日本消化器学会、日本神経科学会
研究概要  

私の研究テーマはストレスの健康への影響、特に身体疾患への影響を検討し、ストレス関連疾患のメカニズムを解明、治療介入方法を確立することです。 心身医学的アプローチであるBio-Psycho-Socialモデルにより、生物学的、医学的側面からだけではなく、心理社会的因子も含めたより大きな意味での生理現象として問題を捉えることを目指しており、学際的研究が有効な領域であります。

現在の主な研究プロジェクトとしては、ベルギー、ルーベン大学および、フランス、グレノブルの研究所との共同研究で、代表的なストレス関連疾患である、消化管機能障害、および慢性機能性疼痛障害の疾患群に共通する、中枢性の疼痛制御機構の検討を行っております。これらは一般的な検査で器質的異常を認めないものの、疼痛や不快感、消化器症状が持続する機能的疾患ですが、症状が出現する部位が異なるにも関わらず、共通の因子があると考えられます。研究プロジェクトでは、その共通基盤が脳での内臓感覚の制御機構の変化にあると仮説し、対象の4疾患群、各研究所で同一の研究プロトコールを用いて、中枢における共通神経基盤を明らかにすることを目的としています。マルチモダルな脳画像検査を行うと同時に、心理的社会的因子の評価、末梢臓器の機能、自律神経系、内分泌反応に表されるストレスへの生理学的反応を検討し、疾患群に渡って見られる共通メカニズムを横断的に比較検討すると共に、中枢機能変化と身体機能変化、および社会心理学的影響の関係を群内で比較検討することにより、多層的に現象を解明するプロジェクトです。

ストレス関連疾患の解明には、局所で起きている現象だけではなく、部分を統合して現象を把握し、ヒトを全体として理解する視点が不可欠と考えます。自然科学、人文科学の垣根を越えた学際研究により更なるストレス関連疾患の解明、治療法の確立を目指しています。

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