過去の在籍教員
在職期間:2014.12-2018.5
川村 広和Hirokazu Kawamura
助教先端基礎科学
- メンター教員
- 教授
- 渡部 浩司(サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター)
研究分野 | 原子核物理学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本物理学会 |
研究概要 | |
あらゆる物質は様々な原子から構成され、その殆どは無限の寿命をもつ安定な原子核から作られています。自然界に安定して存在できる原子核の種類は三百程度ですが、加速器を活用することで数千種類もの不安定な原子核を生成できるようになりました。不安定核がもつ独特の性質を利用して宇宙・素粒子物理などの基礎科学を発展させるだけでなく、近年は医学・工学などへの活用も進められ、人々に身近なものとなってきています。 サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターでは、加速器を用いて放射性元素フランシウムを生成し、これにレーザー冷却を施し、その性質を極めて精密に測定することを通じて、素粒子標準模型を超える新しい現象を発見することを目標に研究が行われています。レーザー冷却技術は、レーザー光との相互作用を利用して原子の温度をマイクロケルビンという超極低温にまで下げられるもので、原子自身が備える性質を精密測定するのに最適な環境を用意できます。フランシウムが永久電気双極子能率を備えていることが示せれば、未知の物理現象を発見したことを意味します。永久電気双極子能率を探索するため研究開発を進めています。 この放射性元素をレーザー冷却できる技術を発展させ、数の限られた稀少同位体を検出できる技術の確立を目指します。稀少同位体検出技術は年代測定法や医療トレーサー解析など様々な分野で必要とされていますが、レーザー冷却技術を応用することで、たったひとつの原子ですら捕獲・検出することが可能です。これにより,稀少同位体の今まで以上に正確な測定や、今まで不可能だった元素や同位体の検出が行えるようになると期待でき、関連する分野の更なる進展と拡大が促せます。 このような原子核物理学と量子光学を組み合わせた技術を基に、多様な分野へ展開することを目指しています。 |