会議発表・論文・出版
2024.08.29
ブラックホールは降着円盤と呼ばれる回転するガスに取り囲まれており、このガスは複雑な乱流状態にあります。しかし、その性質は長年謎に包まれていました。
東北大学学際科学フロンテ
研究分野 | プラズマ物理 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本物理学会,アメリカ物理学会 |
研究概要 | |
宇宙に存在する"目に見える"物質のほとんどはプラズマ状態にあります。私はプラズマが持つ基本性質を深く理解することで、宇宙の大部分に適応できる普遍的な物理法則を知りたいと考えています。 プラズマの驚くべき性質は、その適応範囲の広さです。地球に近い宇宙空間では、太陽、太陽から吹き出る風、惑星磁気圏にプラズマが存在します。遠い宇宙ではコンパクト天体周りの降着円盤、星間物質、銀河団ガスなどがプラズマ状態にあると考えられています。一方、我々の身の回りにも、雷などのプラズマが存在し、実験室の中にプラズマを作り出すことも可能です。これらの現象は数メートルから数100万光年のサイズに渡ります。空間スケールだけでなく、温度・密度なども幅広いパラメータ領域を持っています。 プラズマ物理学はこの広大なスケールすべてに適応が出来る学問です。そしてプラズマの運動を記述する方程式は、宇宙にある様々な現象を説明できるとても有用な"ツール"です。言い換えると、プラズマ物理学は応用先が多い学際性の高い学問です。 これまで私はプラズマの基礎物理を、理論・数値・実験それぞれの手法を用いて研究してきました。最近行っている研究は、ジャイロ運動論と呼ばれる核融合研究で長年用いられてきた理論を用いて、降着円盤におけるプラズマをより詳しく理解することです。今後はこれまでに培って来た知識を、様々な現象に応用していきたいと考えており、学際科学フロンティア研究所にいる多様な研究バックグラウンドを持った方々とのコラボレーションを模索しています。 |