東北大学
学際科学フロンティア研究所

過去の在籍教員

在職期間:2015.1-2020.11

小嶋 隆幸Takayuki Kojima

助教物質材料・エネルギー

メンター教員(当時)
教授
蔡 安邦(多元物質科学研究所)
研究分野 固体触媒、磁性材料、金属薄膜
主な研究テーマ
  • 金属の触媒機能と磁性の関係についての研究
所属学会 日本金属学会、触媒学会、日本磁気学会、日本表面科学会
研究概要  

触媒とは、特定の化学反応を促進させる機能を持ち、それ自身は反応の前後で状態が変化しない物質のことを言います。例えば、一酸化炭素(CO)と酸素(O2)を混ぜただけでは殆ど反応が起こらないため、しばしば一酸化炭素中毒事故が起こりますが、触媒の存在下では、吸着、結合、脱離といった段階を踏むことによりスムースに反応し、無害なCO2になってくれます(図)。触媒は様々な化学工業プロセス、自動車排ガス浄化、燃料電池などに使用され、我々の社会に不可欠なものとなっております。

一方、触媒としては希少で高価な貴金属が大量に消費されています。先進国だけでなく、中国やインドなどの新興国の発展に伴い、貴金属の需要が今後ますます増大することが確実であり、使用量の低減や代替材料の開発が求められています。しかしながら、触媒機能の起源が完全に理解されていないため、代替材料の開発は簡単ではありません。

化学反応は電子のやり取りであり、触媒反応の各プロセスにおいて電子をやり取りしているため、触媒機能は物質の電子状態に支配されていると考えられています。他方、電子は「スピン」という磁気的性質を持っています。そのため、触媒物質の磁性も触媒機能に影響すると考えられますが、触媒と磁性の関係についての研究報告は非常に少なく、よくわかっておりません。磁性材料を専門としてきた私はそこに着目し、触媒と磁性の関係を明らかにしようと考えました。「触媒化学」と「磁性学」の融合により、触媒設計に磁性という新たな自由度を与え、磁性の積極的な利用による新しい触媒機能の創出を目指します。これを将来の貴金属代替につなげたいと考えています。

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