お知らせ
2021.02.03
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、創発的研究支援事業の2020年度研究提案募集における新規採択研究代表者および研究課題を決定しました。
応募総数2,537件に対し252件が採択とな
在職期間:2015.4-2020.3
助教情報・システム
研究分野 | 光計測、光制御、機械光学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 物理学会 |
研究概要 | |
非日常的な環境・物質を人工的に生成し観測することで、人類は自然の理解を深めてきました。例えば、極低温下における超伝導現象の発見はその顕著な例でしょう。この伝統的な手法に基づき、私は「熱的な運動を伴わない重たい物体」を利用して実験的に未検証な領域(重力の影響を無視できない量子系やプランクスケール)を探索することで、自然の理解をより深めていくことを目指しています。 そのため、まず初めに、プランク質量(約22μg)より重たいmg程度の質量の振動子(懸架鏡)の共振運動(振り子振動)を基底状態まで冷却する光計測・光制御技術の開発に取り組んでいます。光計測に基づいた冷却手法の場合、計測の雑音を低減し感度を向上することで振動子の振幅を十分に低減することが可能です。基底状態実現のためには、光の振幅と位相が量子的に揺らぐことから生じる標準量子限界程度まで雑音レベルを低減する必要があります。このような精密測定を実現するために、「光のねじればね」と呼ばれる光制御を利用しています [1]。これらの光計測・光制御技術を基軸として、材料工学・レーザー工学・量子情報科学・電子工学・機械工学等の様々な異なる分野の技術を融合した研究を遂行することで、目的を達成します。
[1] N. Matsumoto, Y. Michimura, Y. Aso, and K. Tsubono, “Optically trapped mirror for reaching the standard quantum limit”, Opt. Express 22, 12915 (2014). |