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研究分野 | 免疫学、貪食細胞学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 免疫学会 |
研究概要 | |
ナノテクノロジーの進展により多様なナノ粒子がつくられており、それらは多種多様な化学工業製品の原料として汎用されているのみならず、新たな生体材料や医薬品等としても期待が高まっています。また、日常生活においても私たちはPM2.5といった微小粒子状物質に曝されています。しかしながらこのような微小粒子の生体への作用や安全性などについて未だに不明な点が多く残されています。本研究所において私たちは、微小粒子に対する生体応答機構を解明することを目的としています。 私たちは、これまでマクロファージや樹状細胞といった貪食細胞の異物(非自己)認識機構についての研究を中心に進めてきました(1-5)。生体内に侵入した細菌や生体内で発生した死細胞などの生体にとって危険な生物粒子は貪食細胞に速やかに貪食されることにより除去されます。私たちは細菌や死細胞を認識する貪食細胞受容体としてPIR-BやTim-3を同定してきました(1, 2)。また、貪食された抗原由来ペプチド等の細胞膜分子が免疫細胞間で受け渡しされることも見出してきました(3, 4)。興味深いことに貪食細胞は生物粒子のみならずシリカなどの無機粒子をも貪食し、特にその粒子径が1〜100 nmのナノ粒子を貪食した場合に炎症を惹起する可能性があることが判ってきましたが、その分子機構については不明な点が多く残されています(5)。このようなナノ粒子やナノリポソームは新たなバイオマテリアルとしての可能性が期待されているため、その認識機構の解明はナノバイオマテリアルを設計する上で非常に重要です。本研究課題は免疫学、材料工学、薬物代謝動態学など学際的に遂行する必要があり、学内外の研究機関と積極的に共同研究を進めていきたいと考えています。 参考文献
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