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研究分野 | 宇宙論、重力理論 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本物理学会 |
研究概要 | |
A.Einstein による一般相対性理論の提唱から約100年が経ち、2016年2月についに、一般相対論がその存在を予想した重力波が初めて観測されたことが報告されました。重力波は「時空のさざ波」と比喩され、我々が住む時空自体を動力学の対象として扱った帰結の1つです。重力波が観測された事実は、そのような取り扱いの正当性を強く支持するものであり、時空の動力学を扱う重力理論の研究は、今後ますます発展していくものと期待されます。 他方、宇宙マイクロ波背景輻射や超新星爆発などの観測によると、現在の宇宙の膨張速度は増大している、つまり宇宙は加速度的に膨張していることが強く示唆されています。重力が常に引力的に働くとすると、仮に宇宙が膨張期にあっても、時空が引き合うためにその膨張速度は減少する。つまり、宇宙は常に減速的に膨張することになります。それゆえ、宇宙が加速膨張しているという事実は、少なくとも宇宙膨張が関係するような長いスケールにおいて、重力が斥力的に振る舞う、つまり重力の法則が Einstein のそれから修正されていることを暗示しているのかもしれません。 我々の宇宙を支配する重力法則がどのようになっているのか、様々な観測を用いて重力理論を検証することを目標に、いわゆる線形摂動理論の範疇を超えて、非線形・非摂動的な解析手法を用いることにより、これまで未知の理論予言を明らかにする研究に取り組みます。 |