会議発表・論文・出版
2024.01.09
東北大学学際科学フロンティア研究所の柿沼薫助教 (現:アブドラ王立科学技術大学 Senior Researcher)、田村光平助教(現:東北大学東北アジア研究センター准教授)らの研究グループは、東京
在職期間:2016.4-2023.3
研究分野 | 人類学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本人類学会、日本人間行動進化学会、日本数理生物学会、日本進化学会、日本生態学会、World Archaeological Congress |
研究概要 | |
人類はときとして「文化的な種」と称されるほど文化に大きく依存した種です。文化はさまざまな面でわたしたちの行動に影響を与えていますし、過去から現在に至るまで、人類がそれぞれの生態的環境に適応するうえでも重要な働きを果たしてきたと考えられています。そのため、文化を理解することは、人類を理解するために欠かすことのできないステップです。 わたしは「文化進化」というアプローチから、さまざまな文化現象を理解することをめざして研究をしています。このアプローチでは、文化の継承を生物の遺伝のアナロジーとしてとらえ、文化の拡散や変容のパターンを進化生物学の手法をもちいて解析します。ここでは、文化を「社会的に伝達される情報」として捉え、その情報伝達系としての性質に注目します。生物進化の根幹も、遺伝情報が親から子へと伝達されることです。この二つの系に共通する「情報が継承される」性質が、同じ枠組みで扱うことを可能にするのです。 現在は、考古学のデータにこの「文化進化」の手法を適用することで、具体的な考古学的課題を解決しつつ、それを通して文化現象にひそむ法則性や、文化多様性の創出機構について明らかにすることをめざしています。並行して、文化進化を考古学のデータに適用するための方法論の確立や、研究環境の整備にも取り組んでいます。 |