東北大学
学際科学フロンティア研究所

過去の在籍教員

在職期間:2014.4-2019.3

津村 耕司Kohji Tsumura

助教先端基礎科学

メンター教員(当時)
教授
秋山 正幸(大学院理学研究科)
研究分野 赤外線天文学
主な研究テーマ
  • 赤外線面輝度観測を通した天文学と惑星科学
所属学会 日本天文学会、日本惑星科学会、日本地球惑星科学連合、天文教育普及研究会
研究概要  

宇宙で光を放っているのは、星や銀河など形のはっきりとした天体だけではありません。一見何も天体がないように見える空も、うっすらと光っているのです。何もない空の明るさ(面輝度)を近赤外線で観測した場合、それには(1)太陽系からの赤外線(黄道光)、(2)銀河系からの赤外線、(3)遠方宇宙からの赤外線(背景放射)の3成分が混じり合っています。私は、このような赤外線での面輝度観測を通して、近くの宇宙(太陽系)から遠くの宇宙(銀河系外)までの性質(何がどのような物理過程で赤外線で光っているか等)を併せて研究しています。

赤外線面輝度観測にとって、その何倍も明るい地球大気は大敵です。その為、宇宙からの天文観測が必要です。そこで、NASAの観測ロケットプログラムCIBERおよびCIBER-2を国際協力の下に進めています。CIBERでは専用の望遠鏡を独自に開発し、それをロケットに搭載して打ち上げ観測を実施します。CIBERは既に4回の打ち上げ観測に成功しており、現在はその発展型のCIBER-2を開発中です。他、赤外線天文衛星「あかり」のデータを用いた赤外線面輝度解析も進めています。また、ガリレオ衛星食掩蔽法という新たな赤外線面輝度の観測手法を開発し、すばる望遠鏡、ハッブル宇宙望遠鏡、スピッツァー宇宙望遠鏡等を用いて観測を進めており、その副産物として木星の高層大気の研究も進めています。

この他、次期赤外線宇宙望遠鏡SPICA、次期小惑星探査機はやぶさ2搭載近赤外線分光器NIRS3、ソーラー電力セイルによる木星トロヤ群探査機搭載赤外線望遠鏡EXZITなどのJAXAの将来計画にも関わっています。

CIBER4回目の打ち上げの様子(2013年6月5日、NASA Wallops Flight Facilityにて)

撮影:新井俊明(ISAS/JAXA)

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