東北大学
学際科学フロンティア研究所

過去の在籍教員

在職期間:2022.4-2023.3

脇坂 聖憲Masanori Wakizaka

助教物質材料・エネルギー

メンター教員
教授(当時)
芥川 智行(多元物質科学研究所)
研究分野 錯体化学・ナノ材料科学
主な研究テーマ
  • 金属炭化物クラスターによるサブナノ材料科学の開拓
  • 金属炭化物クラスターを創る
  • 金属炭化物クラスターを並べる
  • 金属炭化物クラスターを測る
所属学会 日本化学会・錯体化学会・触媒学会・日本鉄鋼協会
研究概要  

金属炭化物は金属性とセラミック性を合わせ持つ非常にユニークな材料です。身近なところでは鉄鋼や超硬合金として使われています。これらのバルク相の材料に対して、サブナノサイズのクラスターはほぼ全ての原子が表面に出るため担体との相互作用が強く働きます。その相互作用によりバルク相とは異なる構造、組成、性質を示すと期待されます。本研究では、水素下熱炭素還元法 (Nanoscale, 2020年, 12巻, pp.15814) を応用して金属炭化物ラスターを合成します。本合成法はカーボン担体を用いて水素下で行う熱炭素還元反応であり、水素が前駆体の還元と炭化を促進するため温和な温度域で金属炭化物クラスターを合成できます。これまでに炭化鉄クラスターを合成し、これが磁石になることを見つけました (RSC Adv., 2022年, 12巻, pp.3238)。またモリブデンオキシ炭化物クラスターを合成し、高選択的に二酸化炭素を一酸化炭素へ還元する逆水性ガスシフト触媒として機能することも明らかにしました (Small, 2021年, no.2008127)。特に重要なのが「炭素」であり、炭化が触媒活性を向上すると言うことが分かってきました。窒素固定の活性中心として知られるモリブデン–鉄補因子の中心原子は長らく謎でしたが、近年の研究で炭素であることが判明しています。つまり生物は体内で金属炭化物クラスターを利用していたのです。メカニズムは未だ解明されていませんが、金属炭化物クラスターの研究を通してなぜ「炭素」なのか、その謎にせまりたいと思います。

 

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