東北大学
学際科学フロンティア研究所

過去の在籍教員

在職期間:2019.2-2022.12

曹 洋Yang Cao

助教物質材料・エネルギー

メンター教員(当時)
教授
薮上 信(大学院医工学研究科)
研究分野 ナノ磁性材料学、材料プロセス学
主な研究テーマ
  • 粒子傾斜構造化した高周波・広帯域トンネル磁気誘電効果材料による新しい生体磁気デバイスの創製
所属学会 日本セラミックス協会,日本金属協会
研究概要  

磁性ナノグラニュラー膜は、その優れた化学的安定性およびユニークな機能性を有することから広範に研究されてきた。これまでにナノ磁性粒子の含有量を調整することにより、種々の機能性が見出され、特にトンネル型磁気抵抗(TMR)効果を示す材料は、磁気センサ等の用途に幅広く用られている。

2014年、所属する研究グループでは、ナノ磁性粒子の含有量を従来よりさらに低減したナノグラニュラー複相膜において、室温で磁場変化により誘電率が変化する現象を発見し、トンネル型磁気誘電(TMD)効果と命名した。私は、ナノグラニュラー複相膜新しい成膜法を考案した。スパッタリング成膜中に粒子とマトリックスとの界面をクリアに分離するために、申請者が2元分離型スパッタ成膜法を開発した。磁気と誘電特性の相互作用を考察することにより、初期の報告結果の8倍以上の低磁場TMD効果を示す材料を見出した。しかし、TMD効果は新しい機能変換特性のため、現在、応用化は未着手である。

近年、高齢化問題に直面して、医療・介護需要もそれに伴い増加が継続するものとみられる。小型化され、かつ高性能の、体調を外部から把握する生体センサーに対する需要も増加している。本研究では、医工学、材料学、応用物理学などの学際的横断研究によって、TMD効果材料の応用化にチャレンジする。具体的には、膜構造の粒子傾斜構造化、高周波・広帯域化などのテクニックを駆使して新しい生体磁気デバイスを創製することを目指す。

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