会議発表・論文・出版
2019.04.22
新領域創成研究部の吉野大輔助教と流体科学研究所の船本健一准教授(2019年3月まで本研究所新領域創成研究部 准教授)は、低酸素状態のがん微小環境におけるがん細胞、血管内皮細胞と細胞外基質の相互作用に
在職期間:2017.2-2019.10
助教デバイス・テクノロジー
研究分野 | メカノバイオロジー、設計工学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本機械学会、日本設計工学会 |
研究概要 | |
世界に先駆けて超高齢社会に突入した我が国おける最重要課題は、高齢者の高いQuality of Life(QOL)と活発な社会活動を維持することである。近年発症率が深刻化する動脈硬化性の血管狭窄に代表される心疾患と脳血管疾患は、癌に並ぶ国民病の一つとなっており、高齢者のQOL・社会活動の維持を困難にしている。狭窄した血管を拡張するためにはステントが用いられており、その多くは再狭窄と血栓症の予防のため免疫抑制剤や生体分子の修飾がなされている。しかし、明確な設計理論に乏しい試行錯誤的な従来のステントの開発により、再狭窄や血栓症などの問題が多数報告されている。これは、ステントと血管の力学特性(剛性)との不整合の問題が未解決であることに起因する。すなわち、遅発性の再狭窄や血栓症の発症リスクを高める原因となる、ステントが血管壁に及ぼす過度な力学刺激による血管炎症反応を抑制することが重要である。 本研究では、ステントが血管壁に及ぼす力学刺激に着目し、細胞生物学と機械工学を融合したメカノバイオロジーの観点から再狭窄の発症と血管内膜新生の機構を解明する。得られた知見を設計にフィードバックすることで、高い再狭窄抑制効果と内膜新生促進効果を有する次世代型ステントを開発する。この設計開発の一連の流れを独自のメカノバイオデザイン理論として確立し、循環器系疾患治療の技術革新を目指す。 |