受賞
2021.07.02
受賞発表日/2021年7月1日
東北大学に所属する助教61名に「東北大学プロミネントリサーチフェロー」の称号が付与され、学際科学フロンティア研究所(学際研)からは39名が選ばれました。
在職期間:2018.4-20023.3
助教デバイス・テクノロジー
研究分野 | スピントロニクス、磁性材料 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本応用物理学会 |
研究概要 | |
パソコンや携帯電話などの今日の情報通信社会を支える電子機器においては、情報の高速な読み書きができるランダムアクセスメモリ(Random Access Memory: RAM) が内蔵されています。現在用いられているRAMでは情報を電気的に保持しているが、近年のトランジスタの微細化に伴うリーク電流の増大によって、スタンバイ状態においてデータを保持するために消費する電力が著しく増大しており、IoT (Internet of Things) 技術などへと社会実装の範囲を拡大する上での障壁となっています。 最近、不揮発性を有するスピントロニクスデバイスを用いたRAM(MRAM)が、こうした消費電力の問題を解決し、利便性とエネルギー効率に優れた情報通信社会を実現する技術として注目されており、世界中で盛んに研究が行われています。私が研究しているスピントロニクスデバイスは、図のようなTa、W、Ptなどの重金属からなるチャネル上に磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction: MTJ)を形成した三端子素子です。この三端子素子では、重金属チャネルに印加した面内電流によって、MTJの記録層中の磁化にスピン軌道トルク(SOT: Spin-orbit Torque) が作用し、磁化が反転します。この書き込み方式を用いた三端子SOT-MTJ素子は、高速・高信頼動作が期待されるため世界中で注目を集めています。そして現在、私が高機能かつ低消費電力な不揮発性メモリ・論理集積回路や脳型演算回路の実現を目指し、SOT-MTJ素子の動作原理の理解の促進、新規材料系の探索、革新的構造・手法の提案と実証などに取り組んでいます。 |