東北大学
学際科学フロンティア研究所

学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 2021

ようこそ学際研(がくさいけん)へ!

  • 学際科学フロンティア研究所(学際研)は、異分野融合学際研究により新たな知と価値を創出し、より豊かな人類社会の発展に貢献することを目的としたユニークな研究拠点です。あらゆる学術領域を対象として学際融合研究を推進する若手研究者を、東北大学における全学的な協力のもとに育成しています。
     
    異分野から集まった教員による先端学際研究では、新奇機能性材料の研究開発、特徴的な性質を持つ材料のデバイス応用などが進んでおり、研究成果を基にした企業との共同研究も活発です。生命科学、宇宙物理学においても、際立った成果が挙げられています。
     
    学際研はこれからも若手研究者が世界トップレベルで研究を推進する志を支え、異分野研究者交流やネットワークづくり、研究成果の発信のサポートにも注力します。みなさんも学際研で新しい研究にチャレンジしませんか?

学際研ミニ講演「仙台発ハワイ経由、ダークマター探しの旅」

  • 私たちの宇宙はダークマター(暗黒物質)という物体で満たされていることが知られていますが、その正体は分かっていません。東北大学学際科学フロンティア研究所(学際研)の宇宙物理学者はこの正体不明のダークマター探しに参加しています。
     
    学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 2021では、宇宙の研究を支える天文台の舞台裏をご紹介しつつ、ハワイにあるすばる望遠鏡を使ったダークマター探査プロジェクトについて、ミニ講演でご案内します。
     
    司会 :鈴木 一行 博士(学際研 企画部)
    講演1:藤原 英明 博士(学際研 企画部)
    講演2:當真 賢二 博士(学際研 先端学際基幹研究部・企画部)
     
    オンデマンドでご覧いただける「ミニ講演」は ↓こちら↓ です。
     
     

あなたのギモンにお答えします

  • 学際研ミニ講演「仙台発ハワイ経由、ダークマター探しの旅」に寄せられたご質問にお答えします。
     
    Q. 「アクシオン」という名前はどんな意味なんですか?
    A. 「アクシオン」はフランク・ウィルチェック教授が、素粒子論におけるある問題を解決する(clean up)という意味を込めて、アメリカの洗剤商品の名前Axionから付けられたそうです。ただ、その問題(強いCP問題といいます)は物理学の用語でいうところの「パリティ変換」や「軸性(axial)」と関係しているので、そのあたりも意識しているのかと思われます。
    (回答者:當真賢二)
     
    Q. ハワイにある一番星が大きく見える望遠鏡は、どの望遠鏡ですか?
    A. 天文学では「大きく見える」と「細かく見える」は同じことで、その性能は基本的に望遠鏡の大きさ(「口径」と言います)で決まります。ハワイにある望遠鏡では、日本のすばる望遠鏡(口径8.2メートル)、アメリカのケック望遠鏡(口径10メートル)、アメリカなどのジェミニ望遠鏡(口径8.1メートル)が同じくらいの「細かく見える」性能を持っており、これらが最も「細かく見える」=「大きく見える」望遠鏡と言えるでしょう。
    (回答者:藤原英明)
     
    Q. 学際研には何人くらいの研究者がいるのですか?
    A. およそ60人の研究者が所属しています。そのほとんどはいわゆる「若手」の研究者で、みな、のびのびと研究を進めています。
    (回答者:藤原英明)
     
    ご質問、ありがとうございました。

学際研・研究ハイライト

  • 弥生時代の争いの原因を検証:人口増加が重要な要因であることを明らかに
     
    学際研の田村光平助教らの研究チームは、弥生時代中期(紀元前350年~紀元30年)に北部九州で起こった争いの原因を検討し、人口圧が一つの重要な要因であることを明らかにしました。
     
    本研究では、この時期の北部九州で広く見られる甕棺(かめかん)と呼ばれる墓の数から推定された人口圧と、骨に残された傷から推定された争いの頻度の関係を、統計的に考察しました。こうした定量的な考察は、今後の考古学のあり方を大きく変えていくだろうと考えられます。また、さまざまな考古学的証拠を量的に表現・検討することで、日本だけでなく、海外のデータとの国際的な比較も進んでいくでしょう。
     
  • 最期を迎えた超巨大ブラックホールの発見
    3000光年寄り道した光が捉える超巨大ブラックホールの最期の輝き
     
    銀河の中心にある超巨大ブラックホールは、時に周りから落ちるガスを飲み込んで成長し、その際にガスの重力エネルギーが開放されて光で明るく輝きます。この状態を活動銀河核といいますが、この活動銀河核がいつ終焉を迎えるかは長らくわかっておらず、その終焉の瞬間は長らく観測されてきませんでした。
     
    学際研の市川幸平助教らの研究チームは、Arp 187という天体に着目し、活動銀河核が作るおよそ3000光年にもおよぶ電離領域を「鏡」として利用することで、3000年ほど遅れて地球に届いた過去の活動銀河核の光度を見積もりました。さらにNASAのNuSTAR衛星によるX線観測から得られた現在の光度との比較を行いました。その結果、活動銀河核の光度が、この3000年程度で1000分の1以下に暗くなったことが明らかになり、活動銀河核が死につつある瞬間を捉えることに成功しました。
     
  • 昆虫の脱皮に学ぶ3次元ゲルプリンティング
    ~空気とゲルの界面を利用した硬化と表面機能化~
     
    昆虫の外殻には、クチクラと呼ばれる硬い層があり、外界からの異物混入や昆虫の形態維持といった機能を担っています。昆虫は成長に伴い脱皮した後、失ったクチクラ層を昆虫表皮に再形成することで、この機能を再度獲得します。
     
    学際研の阿部博弥助教らの研究チームは、昆虫の脱皮に伴うクチクラ再形成に着目し、空気と反応する硬化剤とゼラチンゲルのみを用いて類似の硬化プロセスを再現することに成功しました。この再現プロセスは二次元・三次元の形状制御や、ゲル表面へのタンパク質の修飾・放出制御を可能とし、生分解性・生体適合性材料で構成されることから、再生医療分野への応用が期待できます。
     
  • 睡眠覚醒における脳細胞に関する新知見
    アストロサイトの活動が睡眠覚醒で変化することを発見
     
    脳は、神経細胞、グリア細胞で構成されています。これまで、脳の機能を担っている細胞は神経細胞がメインだと考えられてきましたが、近年、グリア細胞も様々な役割を担っていることが分かってきており、睡眠における役割が注目されてきています。
     
    東北大学大学院生命科学研究科/学際研の常松友美助教らの研究グループは、マウスにおいてグリア細胞の一種であるアストロサイトの活動が覚醒時に高まり、睡眠時、特に夢を見ているレム睡眠時に低くなることを見出しました。本成果により、アストロサイトを含めた脳全体での睡眠覚醒における生理的役割や意義の全貌解明に繋がることが期待されます。
     

動画で見る学際研

 
 
学際科学フロンティア研究所「先端的学際研究の推進」
 
学際科学フロンティア研究所「学内学際研究の発掘」
 
学際科学フロンティア研究所「若手研究者の育成」
 
学際科学フロンティア研究所「3つの柱 FRIS Triangle」

研究者インタビュー

  • ボーダーを越えて
     
    学際研は「学際的研究の開拓・推進によって新たな価値を創出し、人類社会に貢献すること」を目的としています。そのコンセプトを所属研究者によって語り、考える企画が連載インタビュー『ボーダーを越えて』です。
     
    それぞれの研究人生に触れながら、「自分が体験した学際的な活動」を語ります。学際研の理念と実態を浮き彫りにすると同時に、学際研のメンバーが対話を通じてこれからの組織のあり方を考えます。
     

パンフレット

日本語版 / Japanese 2020年度 / 2020 [2020.08 update]
英語版 / English 2020年度 / 2020 [2020.12 update]

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