東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

井上 壮志(新領域創成研究部 助教)

The 5th Joint International Conference on Hyperfine Interactions and Symposium on Nuclear Quadrupole Interactions (HFI/NQI 2014)
開催地/オーストラリア・キャンベラ

期間/2014.9.20-9.27

このたび、学際科学フロンティア研究所の海外共同研究および発表支援プログラムに採択を頂き、2014年9月21日~26日にオーストラリアのキャンベラにて開催された The 5th Joint International Conference on Hyperfine Interactions and Symposium on Nuclear Quadrupole Interactions (HFI/NQI 2014)に参加し、最近の研究成果について発表を行なってきました。当会議のテーマは、超微細相互作用や核四重極相互作用を用いた物性研究のみならず、原子核構造や偏極、放射性元素を用いた新しい研究提案など幅広い分野にまたがっており、参加者は世界各国から100名以上が集まりました。講演は43件の口頭発表と56件のポスター発表がありました。今回、私は New development and future directions というセッションにおいて、“Experimental search for the electron electric dipole moment with laser cooled francium atoms”という題目で口頭発表を行いました。

本発表は、現在の物質優勢宇宙の起源の解明に繋がる物理量である電子の永久電気双極子能率(EDM)の我々の探索計画についての報告です。EDMは現在までに観測されていない物理量であり、EDMの効果が大きくなる系で誤差を抑制して測定することが重要となります。そこで我々は原子を局所的に捕獲できるレーザー冷却技術を用いて放射性元素でありEDMの効果が大きくなる系であるフランシウム(Fr)を用いて電子EDM探索を行うことを目指しており、Fr生成やレーザー冷却装置、及び系統誤差抑制の鍵となる高感度磁力計の開発状況を発表しました。

会議中は様々な分野の研究者と議論や情報交換を行うことで、大きな刺激を受け今後の研究の指針を得ることができました。また、学生を含む研究者同士の新たな繋がりを作れたことは今後の研究において非常に重要な意味を持ってくると思います。このような機会を与えてくださった海外共同研究および発表支援プログラムに感謝いたします。

  • 左:口頭発表時の様子。

  • 右:夜の発表会場。

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