東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

山崎 馨(国際高等研究教育院・理学研究科博士3年)

高効率なナノ分子向け光化学反応シミュレーターの開発(レーゲンスブルグ大学における共同研究)
派遣先/ドイツ・レーゲンスブルグ

期間/2015.3.1-30

東北大学学際フロンティア研究所「平成26年度海外共同研究および発表支援プログラム」の支援を受けてレーゲンスブルグ大学(ドイツ)を訪問し、Thomas Niehaus教授と約3週間の共同研究を送らせていただきました。レーゲンスブルグはドイツ南部の中心都市ミュンヘンから北東に電車で二時間ほどの場所に位置するドナウ川沿いの街です。中世の町並みがよく保存されていて、世界遺産にも登録されています。

さて本研究では、Niehaus教授が開発している超短レーザーパルスを照射した際に起きる化学反応の動力学を高効率かつ適切に追跡出来るTD-DFTB法のプログラムにわれわれが開発したXFELによる逐次イオン化過程のシミュレーションプログラムを組み合わせて、次世代のX線顕微鏡光源であるX線自由電子レーザー(XFEL)パルスによって光化学反応中のナノ分子を追跡した時に得られるイメージをシミュレーションできるプログラムを開発しました。このプログラムを用いることで、C60フラーレンなどのナノ分子やタンパク質などの生体分子の光化学反応による構造変化がXFELパルスによってどの様にイメージングされるかシミュレーションできるようになり、究極的には優れた電子デバイスや生体分子標的薬の開発に繋がると期待されます。現在はC60の光誘起構造変形過程をターゲットにして原理検証シミュレーションを行っています。

また、休日にはレーゲンスブルグや近郊の街を散策し、豊かな文化があるところに良いサイエンスが生まれるのではないかという思いを新たにしました。

最後に、このような貴重な機会を与えていただいた東北大学学際フロンティア研究所・Thomas Niehaus教授・河野裕彦教授に感謝したいと思います。本当にありがとうございました。

レーゲンスブルグ大聖堂。

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