トピックス
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研究会等のお知らせ2019.07.05
第5回 川内茶会セミナー 日本列島南西縁における先史時代と近年の異分野融合型アプローチ 琉球大学 山極海嗣氏をお招きし、南琉球先史考古学の概説や南琉球をフィールドとした最近の学際的アプローチについて紹介していただきます。 講演:山極 海嗣 氏(琉球大学) 主催/東北大学 学際科学フロンティア研究所(FRIS) 日時:2019年7月23日(火)15:00~17:00 会場:川内北キャンパス川北合同研究棟 1階CAHEラウンジ *MAP 川内キャンパス〔A-07〕 [ 申込不要・参加自由 ] セミナーWebサイト 問い合わせ 学際科学フロンティア研究所 田村光平 助教 @
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研究会等のお知らせ2019.07.02
発表者: 永田 貴之(工学研究科 / 先端基礎科学領域) 高木 源(文学研究科 / 人間・社会領域) 服部 修平(工学研究科 / 生命・環境領域) ほか 場所: 学際科学フロンティア研究所1階 大セミナー室 ■全領域合同研究交流会について
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受賞2019.06.21
阿部泰人さん(才田グループ修士2年) 『粉体粉末冶金協会2019年度春季大会 優秀講演発表賞』を受賞 先端学際基幹研究部の才田淳治教授のグループの修士2年生の阿部泰人さんが、粉体粉末冶金協会2019年度春季大会(東京工業大学すずかけ台キャンパス)において、「高圧熱処理が与えるZr系バルク金属ガラスの特性変化」と題する発表を行い、優秀講演発表賞を受賞しました。 本発表は、金属ガラスに5.5GPaの高圧を印加してガラス遷移温度直上で熱処理することで、高密度の新たなガラス構造が生成され、種々の特性が大きく変化することを明らかにしたものです。 本発表の成果は、文部科学省科学研究費補助金 基盤研究A (18H03829) の支援によって行われました。また、本発表の基礎となる成果は、東北大学学際科学フロンティア研究所 学際研究促進プログラム「ランダム原子配列構造制御の基礎科学と新材料・新機能創成への融合展開」(平成26~28年度)の支援を受けて行った研究によって得られました。 発表タイトル: 高圧熱処理が与えるZr系バルク金属ガラスの特性変化 阿部泰人、山田類、柴崎裕樹、Ryu Wookha、才田淳治 関連先Link: https://www.jspm.or.jp/event/award/3020181127
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会議発表・論文・出版2019.06.20
先端学際基幹研究部の才田淳治教授と国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)の譯田真人主任研究員は、Cu-Zr系金属ガラスの熱的構造若返りにおける不均質局所構造遷移を分子動力学(MD)シミュレーションを用いて明らかにし、科学誌「Science and Technology of Advanced Materials」に発表しました。 金属ガラスは低温での熱処理や加工により、ランダム構造にわずかな変化(原子の部分的再配列)を起こすことが知られています。この現象は構造緩和とよばれ、脆化の原因となります。才田教授らの研究グループでは、構造緩和した金属ガラスを熱的な構造若返り処理によって部分的に未緩和状態に戻せることを明らかにしてきました。本研究は、このような熱的構造若返りによって金属ガラスの不均質局所構造がどのように変化するのかを、シミュレーションを用いて明らかにしたもので、若返り機構解明に重要な知見を提案するものです。 本成果は、文部科学省科学研究費補助金 基盤研究A (18H03829) および若手研究A (17H04949)の支援を受けて行われた研究です。また、本研究の基礎となる成果 は、東北大学学際科学フロンティア研究所 学際研究促進プログラム「ランダム原子配列構造制御の基礎科学と新材料・新機能創成への融合展開」(平成26~28年度)の支援を受けて行った研究によって得られました。 掲載論文: M. Wakeda, J. Saida : Science and Technology of Advanced Materials , 20 (2019) 632 - 642. Heterogeneous structural changes correlated to local atomic order in thermal rejuvenation process of Cu-Zr metallic glass. DOI: 10.1080/14686996.2019.1624140
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研究会等のお知らせ2019.06.19
発表者: 菅波 眞央(工学研究科 / 生命・環境領域) 神田 雄貴(工学研究科 / 物質材料・エネルギー領域) 菅波 眞央(工学研究科 / 生命・環境領域) Chrystelle Bernard(学際科学フロンティア研究所 助教 / デバイス・テクノロジー領域) ほか 場所: 学際科学フロンティア研究所1階 大セミナー室 ■全領域合同研究交流会について
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会議発表・論文・出版2019.06.14
癌細胞を凝集させ、立体的に培養したスフェロイドは、固形腫瘍のモデルとして、創薬スクリーニングへの応用が盛んに検討されています。しかし、スフェロイドを形成している細胞の機能を1細胞レベルで、かつ、低侵襲に評価する技術は発展途上です。 今回、新領域創成研究部の梨本裕司助教は、東北大学大学院工学研究科の珠玖仁教授、伊野浩介准教授、大学院生の越後雅邦氏と共同で、超微量(fL~pL)の溶液回収が可能な電気化学シリンジと呼ばれる技術を用い、癌スフェロイド表面を形成している単一細胞から細胞質を回収、遺伝子発現解析を行いました。その結果、癌スフェロイドの表面の遺伝子発現は、癌スフェロイド全体を平均した際とは異なる遺伝子発現パターンを示していることを確認しました。このことは、本手法を用いることで、スフェロイド内の部位特異的な遺伝子発現の評価が可能であることを示しています。 本手法は、回収量が極微量であるため、サンプルに対して侵襲性が少なく、かつ1細胞レベルの細胞機能解析が可能です。今後、癌スフェロイド内の個々の細胞機能が、時空間的にどのように変化していくか、解析が進むことが期待されます。 本成果についてまとめた論文(Article)は、「Analytical Chemistry」誌において、6月13日付でオンライン版に掲載されました。 論文情報: Yuji Nashimoto, Masakuni Echigo, Kosuke Ino, Hitoshi Shiku, “Site-Specific Cytosol Sampling from a Single Cell in an Intact Tumor Spheroid Using an Electrochemical Syringe”, Analytical Chemistry DOI: doi.org/10.1021/acs.analchem.9b02062 https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acs.analchem.9b02062
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会議発表・論文・出版2019.06.10
プレスリリース がん抑制因子が上皮組織の細胞分裂方向を制御する仕組みの解明 ヒトを含む多細胞動物の体の内外は、 上皮組織という上皮細胞のシート構造で覆われています。上皮組織においては、上皮シートと平行に細胞分裂を行うことで、組織構造を維持しますが、その仕組みの破綻は上皮の病態につながることが示唆されています。 新領域創成研究部の中嶋悠一朗助教は、アメリカ・ストワーズ医学研究所のMatthew Gibson博士との共同研究を行い、生体上皮組織における細胞分裂方向を制御する新規メカニズムを解明しました。中嶋助教らは、ショウジョウバエを用いてがん抑制因子ScribとDlgが、分裂期スピンドルのダイナミクスを制御し、14-3-3タンパク質と相互作用することで、細胞分裂方向を決定することを発見しました。 本研究成果は、細胞分裂方向の新たな制御機構を提示するだけでなく、その仕組みの破綻が、がんをはじめとした上皮由来の病態を理解する上でも重要な示唆をすることが期待されます。 本研究成果は、2019年6月3日に米国の国際科学誌 「Journal of Cell Biology」に論文が掲載され、6月7日に本学よりプレスリリースされました。 論文情報: 題目: Junctional tumor suppressors interact with 14-3-3 proteins to control planar spindle alignment 著者: Yu-ichiro Nakajima, Zachary T. Lee, Sean A. McKinney, Selene K. Swanson, Laurence Florens, Matthew C. Gibson 雑誌: Journal of Cell Biology DOI: 10.1083/jcb.201803116 http://jcb.rupress.org/content/early/2019/05/13/jcb.201803116 プレスリリース: 東北大学 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2019/06/press-20190607-YN-domestic.html 東北大学生命科学研究科 https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/date/detail---id-48754.html
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会議発表・論文・出版2019.06.07
最も有名な毒の一つである神経毒テトロドトキシンは、海洋のフグや貝、陸棲の両生類であるイモリやカエルに含まれ、世界中に分布します。複雑な化学構造と強力な毒性から古くから研究対象になっているものの、自然界でどのように複雑な化学構造が構築されるか(生合成)は未だ不明です。テトロドトキシンの生産者が曖昧であることから、生合成にかかわる遺伝子などの情報は一切なく、解明への糸口がない状態が続いています。 今回、新領域創成研究部の工藤雄大助教と東北大学大学院農学研究科の山下まり教授は、有毒のイモリからテトロドトキシンの新規類縁体および推定生合成関連物を発見しました。得られた新規成分2種と、これまでに同定してきた推定生合成中間体の化学構造をもとに陸上における生合成経路を考察しました。また、得られた新規テトロドトキシン類縁体と、既知の2成分の生理活性(電位依存性ナトリウムチャネル阻害活性)を比較評価しました。これらの研究成果は、テトロドトキシンの生合成経路解明、ならびにテトロドトキシンの構造活性相関研究の一助となるものです。 本成果についてまとめた論文(Article)を「Journal of Natural Products」誌にて発表し、5月22日付でオンライン版に掲載されました。 論文情報: Yuta Kudo and Mari Yotsu-Yamashita* (*corresponding author) "Isolation and Biological Activity of 8-Epitetrodotoxin and the Structure of a Possible Biosynthetic Shunt Product of Tetrodotoxin, Cep-226A, from the Newt Cynops ensicauda popei" Journal of Natural Products doi: 10.1021/acs.jnatprod.9b00178 https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jnatprod.9b00178
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会議発表・論文・出版2019.06.07
レアアースなどの希少元素を含まない磁石の候補材料としてL10型FeNi規則合金やα’’型Fe16N2化合物が期待されていますが作製が難しいという問題があります。新領域創成研究部の小嶋隆幸助教はリーチング(脱合金化)という触媒化学の技法を応用し、これらの合成に取り組みました。 特性の目標は未達成でしたが、アイディア自体は他の様々な研究に応用可能と考えており、磁石に限らず様々な材料研究者に活用されることを目的に、『Materials Transactions』に論文として発表されました。 論文情報: Takayuki Kojima, Satoshi Kameoka, Masaki Mizuguchi, Koki Takanashi, An-Pang Tsai “FeNi and Fe16N2 Magnets Prepared Using Leaching”, Materials Transactions, 60 (2019) 1066–1071. https://www.jstage.jst.go.jp/article/matertrans/60/6/60_M2019019/_article/-char/ja
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会議発表・論文・出版2019.06.04
プレスリリース 惑星形成の現場を見れば暗黒物質の正体に迫れる:暗黒物質の新しい探査法を提唱 我々の宇宙は暗黒物質という物体で満たされていることが知られていますが、その正体は依然として分かっていません。近年、暗黒物質の候補として、アクシオンと呼ばれる粒子が注目を集めています。 京都大学 大学院理学研究科の藤田智弘博士、東北大学 大学院理学研究科の田崎亮博士、同じく学際科学フロンティア研究所の當真賢二准教授(理学研究科兼任)は、暗黒物質研究とそれとは全く別に発展してきた惑星形成研究とを融合し、暗黒物質がアクシオンであるかどうかを検証する新しい方法を発見しました。 生まれたての星のまわりには原始惑星系円盤というガスと塵からなる円盤状の天体があり、そこからやってくる光は綺麗な同心円状の偏光パターンを持っています。しかし、偏光は地球に伝わるまでにアクシオンの影響を受けるため、この同心円構造が乱れて観測されることが予想されます(図)。 既存の観測データの中では乱れは見つかりませんでしたが、そのことからアクシオンの性質に対して世界最高の制限をつけられました。今後はより高精度の観測を行われることが期待され、暗黒物質アクシオンの兆候が見つかる可能性があります。 本研究成果をまとめた論文は、2019年5月14日付けで『Physical Review Letters』電子版に掲載され、特に注目するべき論文に付加される『Editor’s suggestion』に選定されました。 論文情報: Tomohiro Fujita, Ryo Tazaki & Kenji Toma, "Hunting Axion Dark Matter with Protoplanetary Disk Polarimetry", Physical Review Letters, 2019 DOI: 10.1103/PhysRevLett.122.191101 https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.122.191101 プレスリリース: 東北大学 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2019/06/press-20190603-axion.html 東北大学 理学部・大学院理学研究科 http://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20190604-10318.html 京都大学 http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2019/190514_2.html 図:原始惑星系円盤の偏光が地球に伝わる途中でアクシオンに影響を受けるイメージ