トピックス
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受賞2021.04.07
受賞発表日/2021年4月6日 学際科学フロンティア研究所の先端学際基幹研究部に所属する、中嶋悠一朗助教(生命・環境)が、『令和3年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞』を受賞しました。 本賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者に対して、文部科学大臣より授与されるものです。 中嶋悠一朗助教 の受賞対象の業績は、以下の通りです。 「上皮組織の動的恒常性維持と環境応答の仕組みの研究」 文部科学省: 令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者の決定について https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00547.html
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会議発表・論文・出版2021.04.05
「ブラックホール周辺でのガンマ線、ニュートリノ生成の新しいメカニズムを提案」 宇宙はほぼ光速で飛び交う高エネルギーの荷電粒子(宇宙線)で満たされていますが、その発生源はまだ分かっていません。宇宙線は周囲の物質や電磁場と相互作用してガンマ線やニュートリノなどの高エネルギー粒子を放出するため、それらの粒子を観測することで宇宙線の起源天体に迫ることができます。ブラックホールからジェットが噴出している天体からは頻繁にガンマ線が検出されており、ジェットが宇宙線の有力な発生源と考えられています。イベント・ホライズン・テレスコープによるブラックホールの影の観測で話題になったM87銀河もジェットが付随しており、M87銀河からはガンマ線も検出されています。 今回、学際科学フロンティア研究所の木村成生 研究員(當真グループ・学振PD)と當真賢二 准教授(先端学際基幹研究部)は、ブラックホールに落ち込むプラズマ(降着流)での宇宙線生成過程を定式化し、そこで効率的に宇宙線が生成がされていればM87銀河のガンマ線観測データを説明できることを示しました。これは、ジェットだけではなく降着流でも宇宙線が生成されてガンマ線を放射できることを初めて示した画期的な成果です。本研究をもとに、ガンマ線やニュートリノを用いた将来のマルチメッセンジャー天体観測により宇宙線起源天体の解明が期待されます。 本研究成果をまとめた論文が2020年12月28日に「The Astrophysical Journal」に掲載されました。 論文情報 タイトル:Hadronic High-energy Emission from Magnetically Arrested Disks in Radio Galaxies 著者名:Shigeo S. Kimura, Kenji Toma 掲載誌:The Astrophysical Journal https://doi.org/10.3847/1538-4357/abc343
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会議発表・論文・出版2021.04.05
タンパク質の合成や折りたたみがうまくできなくなると、神経変性疾患や糖尿病などの原因となることが知られていますが、合成途上のタンパク質が「正しい」立体構造を形成するしくみについての理解は進んでいませんでした。 東北大学多元物質科学研究所の平山千尋博士課程学生(学際高等研究教育院生)、稲葉謙次教授(生命科学研究科、理学研究科化学専攻 兼担)、本研究所新領域創成研究部の奥村正樹助教、兵庫県立大学大学院工学研究科の今高寛晃教授、町田幸大准教授、大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センターの野井健太郎特任助教(常勤)、および熊本大学大学院生命科学研究部の小椋光特任教授(研究当時:熊本大学発生医学研究所教授)らを中心とした共同研究グループは、リボソーム注5による新生ポリペプチド鎖(新生鎖)の翻訳合成中にPDI (Protein Disulfide Isomerase) ファミリー酵素であるPDIとERp46が作用する様子を、独自に開発した検出システムおよび高速原子間力顕微鏡を用いて、世界で初めて観察することに成功しました。これにより、細胞内タンパク質恒常性維持に関する重要な知見が得られました。 本成果は、2021年3月9日、米国科学誌iScienceにオンライン掲載され、4月2日に各大学よりプレスリリースされました。 論文情報: Hirayama, C., Machida, K., Noi, K., Murakawa, T., Okumura, M., Ogura, T., Imataka, H. and Inaba, K., "Distinct roles and actions of protein disulfide isomerase family enzymes in catalysis of nascent-chain disulfide bond formation", iScience DOI:10.1016/j.isci.2021.102296 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589004221002649?via%3Dihub プレスリリース: 東北大学 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/04/press20210402-02-protein.html 東北大学多元物質科学研究所 http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20210402/