トピックス
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お知らせ2021.12.01
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、創発的研究支援事業の2021年度研究提案募集における新規採択研究代表者および研究課題を決定しました。 応募総数2,314件に対し259件が採択となり、学際科学フロンティア研究所からは井田大貴助教と馬渕拓哉助教の研究課題が採択されました。2020年度採択分と合わせ、本研究所では7名の若手研究者が創発的研究支援事業採択課題の研究代表者を務めます。 「細胞研究を革新する汎用アト流量制御基盤の創出」という研究課題が採択された井田大貴助教は、「ナノスケールのピペットを用いた微小流量制御技術により、オルガネラなどの細胞内構造への直接的なアプローチを実現したいです」とコメントしています。 また「ナノ空間反応性イオン輸送制御システムの創出」という研究課題が採択された馬渕拓哉助教は、「材料科学視点から生命科学視点への学際的かつ創発的イノベーションによって、新たな細胞内人工イオン輸送制御システムの創出を目指します」とコメントしています。 創発的研究支援事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ長期的に支援します。また、創発を促進するため、支援期間中は、異分野を含む多様な研究者同士が相互に触発し、切磋琢磨する「創発の場」を設けることで、破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指すものです。 「創発的研究支援事業」採択者一覧(東北大学) http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/newsimg/news20211130_01.pdf 創発的研究支援事業 https://www.jst.go.jp/souhatsu/index.html 2021年度採択課題一覧 https://www.jst.go.jp/souhatsu/document/res2021.pdf
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会議発表・論文・出版2021.12.01
2021年3月まで学際科学フロンティア研究所に在籍した鎌田誠司助教(研究当時)は、在籍時の研究成果として、山口大学大学院創成科学研究科の中塚晃彦准教授、高輝度光科学研究センターの福井宏之研究員(研究当時、兵庫県立大助教)および平尾直久主幹研究員、広島大学大学院先進理工系科学研究科の大川真紀雄助教、東北大学金属材料研究所の杉山和正教授、岡山大学惑星物質研究所の芳野極教授との共同研究において、鉄(Fe)とアルミニウム(Al)の成分に富む中央海嶺玄武岩(MORB)組成から生成されるブリッジマナイト(下部マントルの主要鉱物)の単結晶合成に成功しました。この単結晶試料に対するX線精密構造解析と放射光メスバウア分光測定により、下部マントルへ沈み込んだ海洋プレート(スラブ)のうち最上部を構成するMORBすなわち海洋地殻で生成されるブリッジマナイトでは、電荷カップル置換というメカニズムのみによって、FeとAlが結晶構造中へ導入されることを明らかにしました。下部マントルの化学組成の不均一性を解く鍵を握るMORB組成から生成したブリッジマナイトの単結晶構造物性を明らかにしたのは、本研究が世界で初めてです。 この研究成果は、2021年11月24日に英国の科学雑誌Natureの姉妹誌である「Scientific Reports」に掲載され、11月29日に山口大学、高輝度光科学研究センター、東北大学、広島大学、岡山大学よりプレスリリースされました。 論文情報: Akihiko Nakatsuka, Hiroshi Fukui, Seiji Kamada, Naohisa Hirao, Makio Ohkawa, Kazumasa Sugiyama & Takashi Yoshino, Scientific Reports "Incorporation mechanism of Fe and Al into bridgmanite in a subducting mid-ocean ridge basalt and its crystal chemistry" DOI:10.1038/s41598-021-00403-6 https://www.nature.com/articles/s41598-021-00403-6 プレスリリース: 山口大学 http://www.yamaguchi-u.ac.jp/weeklynews/_9039/_9482.html 東北大学 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/11/press20211129-01-mantle.html 東北大学金属材料研究所 http://www.imr.tohoku.ac.jp/ja/news/results/detail---id-1381.html
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研究会等のお知らせ2021.11.30
オンライン開催 電子書籍の登場や、発信者と受信者を直接につなぐ情報技術の登場で、出版社や編集者の役割を問い直す声があがっています。加えて、評価システムや政策の影響から、研究成果を書籍として出版すること自体に再考を迫る動きもあります。 今回は、東北大学出版会の小林直之氏に、出版、とくに大学出版の役割についてお話頂きます。 講演者:小林 直之 氏(東北大学出版会) タイトル:「大学出版がみつけるもの、つなぐもの」 日 時:12月7日(火)16:20~17:50 セミナーのURLは後日登録頂いたメールアドレス宛に送信されます。 参加ご希望の方は 参加申し込みフォーム よりご登録ください。 主催:東北大学学際科学フロンティア研究所 お問い合わせ 学際科学フロンティア研究所 助教 田村 @
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研究会等のお知らせ2021.11.22
オンライン開催 小野英理さんは、研究支援者(URA)として、大学の情報発信の整備や、研究成果発信のデザインの改善に取り組むだけでなく、オープンサイエンスの普及にも携わっています。今回は、ご自身のこれまでのキャリアをふりかえり、「学術とデザインの交差点」から見えることについてお話頂きます。 講演者:小野 英理 氏(京都大学) タイトル:「学術とデザインの交差点で考えたこと」 日 時:11月30日(火)16:20~17:50 セミナーのURLは後日登録頂いたメールアドレス宛に送信されます。 参加ご希望の方は 参加申し込みフォーム よりご登録ください。 主催:東北大学学際科学フロンティア研究所 お問い合わせ 学際科学フロンティア研究所 助教 田村 @
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研究会等のお知らせ2021.11.19
教育院生及び学際研関係者以外の方で参加をご希望の方は12月6日(月)13時までに下記のフォームから申し込みをお願い致します。 追って参加方法等についてご連絡致します。 参加申込フォーム:https://forms.gle/cwhAhDHcBy8kqGxd7 ※参加には東北大メールが必要となりますので予めご確認下さい。 日時:12月7日 (火) 13:30~ ※学内限定とさせて頂きます。 発表者: 神田 龍彦 (博士研究教育院生/理学研究科/ 物質材料エネルギー) 光安 優典 (博士研究教育院生/理学研究科/ 先端基礎科学) 鈴木 碧 (博士研究教育院生/薬学研究科/生命・環境) ほか 場所: オンラインセミナー(Zoom) ■全領域合同研究交流会について
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研究会等のお知らせ2021.11.17
ハイブリッド開催(オンサイトは台湾のみ) 国立陽明交通大学(台湾)と東北大学の研究者8名は、JST Moonshotプロジェクトの次世代ロボットに基づく「日台AIロボット倫理と法律ワークショップ」を企画して、未来の人間とロボット共存するシナリオからこの中の倫理と法律問題を議論します。AIロボットの倫理と法律の研究に興味ある方のご参加をお待ちしております。 開催日時:令和3 年11月23日15:30-17:30 開催場所:オンライン 対象者: AIロボットの倫理と法律の研究に興味ある方 参加申し込み:https://forms.gle/6ffMt11A5nX5WE356 主催:学際科学フロンティア研究所、国立陽明交通大学(台湾) 問い合わせ先:Yueh-Hsuan Weng, Ph.D. (Assistant Professor, FRIS, Tohoku University) Tel: +81-22-795-6942 Email: y.weng*srd.mech.tohoku.ac.jp (*を@に変えてください)
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研究会等のお知らせ2021.11.11
ハイブリッド開催 FRIS Hub Meetingは、FRISの研究者全員が参加する研究発表セミナーで、月に一度8月を除く毎月第4木曜日に開催しています。これまで参加者はFRIS内の研究者を対象としていましたが、2019年12月より、対象を東北大学の研究者、学生へと広げました。 また、2021年1月からは学際融合東北拠点のTI-FRIS Hub Meetingと合同で開催しています。 言語は日本語と英語を混ぜて使用しています。異分野研究者同士では共通の常識や考え方は望めません。聴衆は発表中にどんどん質問し、討論し、理解を深めるようにしています。積極的にご参加ください。 第26回 FRIS Hub Meeting(TI-FRIS Hub Meetingとの合同開催) 日時:2021年11月25日(木)11:00-12:00 開催方式:ハイブリッド開催(オンライン/Zoom ・学際科学フロンティア研究所セミナー室) ※オンサイト参加は当面はFRIS教職員に限定させていただきます。 オンライン参加ご希望の方は、事前登録が必要になります。 オンライン参加者 申し込みフォームよりご登録ください。 発表者: 芳賀 一寿(秋田大学 大学院国際資源学研究科 准教授/物質材料・エネルギー/TI-FRISフェロー) 発表タイトル: 鉱物・リサイクル資源の有効利用技術の開発 (Development of technology for effective utilization of minerals and waste resources) 要旨: 昨今、良質な鉱物資源はほとんど採掘しつくされているため、低品位あるいは多くの不純物を含有する鉱石を原料とした金属生産技術を開発する必要がある。私自身は、資源処理および湿式製錬と呼ばれる分野が専門であるが、この分野をさらに革新するためには、他分野の良い技術を積極的に取り入れることが望ましい。本発表では、低品位あるいは高不純物含有など、現状では金属資源としてフォーカスされていない未利用資源からの金属分離回収技術に関する最近の研究内容とTI-FRISメンバーとの連携の可能性に関する内容を発表する。 ◆FRIS Hub Meetingについて
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研究会等のお知らせ2021.11.11
ハイブリッド開催 FRIS/TI-FRIS共催のもと、学際科学フロンティア研究所の有志がオーガナイザーとなり、生命・環境の研究に関するセミナーシリーズ(全8回)を企画し開催しています。 学際研究を推進する上で「みなさんにぜひ紹介したい」「異分野連携の推進が望める」といった、各オーガナイザー肝煎りの講師陣です。 このセミナーはFRIS教職員、TI-FRISフェロー、東北大学及びTI-FRIS参画大学の方ならどなたでも聴講できます。興味のある方は、ぜひご聴講ください。 参加方法:各回の「参加登録」よりご登録ください。 ※Vol. 3、Vol. 4以降の参加登録は、受付開始までお待ちください。受付開始はFRIS Webサイトにてお知らせいたします。 Vol. 3 開催日時:11月24日(水)16:00- オーガナイザー:梨本 裕司 講師:高山和雄 先生(京都大学) 「生体模倣システム(MPS)を用いたCOVID-19研究の現状と課題」 Vol.3への 参加登録はこちらから ※オンライン参加申込締切:11月23日(火) Vol. 4 開催日時:2022年1月11日(火) オーガナイザー:常松友美 講師:和氣弘明 先生(名古屋大学) 「光で階層的に神経・グリア生理活動を叙述し、制御する研究を目指して」 Vol.4への 参加登録はこちらから ※オンライン参加申込締切:2022年1月10日(月) 【今後の予定】 ※今後の参加登録は、受付開始までお待ちください。受付開始はFRIS Webサイトにてお知らせいたします。 Vol. 5 2022. 1. 21(金)12:00- オーガナイザー:工藤雄大 講師:西村慎一 先生(東京大学)「一次代謝を攪乱する二次代謝物のケミカルバイオロジー」 Vol. 6 2022. 2. 7(月)16:00-(仮) オーガナイザー:塩見こずえ 講師:高橋晋 先生(同志社大学)「哺乳類、鳥類、魚類に共通するナビゲーション神経基盤」 Vol. 7 2022. 2. 18(金)16:00- オーガナイザー:佐藤伸一 講師:野本貴大 先生(東京工業大学)「物理エネルギー誘導型ケミカルサージェリーを志向した高分子型薬物送達システム」 Vol. 8 2022. 3. 10(木)12:00- オーガナイザー:大学保一 講師:鐘巻将人 先生(遺伝学研究所)「新たな遺伝学技術を駆使してヒト細胞におけるDNA複製の謎に迫る」 主催:東北大学 学際科学フロンティア研究所(FRIS)、学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS) お問い合わせ TI-FRIS事務局 @
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会議発表・論文・出版2021.11.09
生体分子を可視化する顕微鏡技術は生命現象の理解を可能にし、疾患メカニズムの解明や治療法の開発に貢献します。近年開発されている「バイポーラ電気化学顕微鏡(BEM)」は、高密度な電極基板と光シグナルによって分子濃度分布を高解像度で可視化することが可能です。しかし歴史の浅いこの顕微鏡の電極基板を安定して量産する方法は確立されておらず、基礎研究や実用化のボトルネックとなっていました。さらに原理上の解像度は「光の回折限界」(光を区別して観察することのできる限界)が上限となる課題がありました。 東北大学COI東北拠点の岩間智紀さん(東北大学大学院環境科学研究科 大学院生)、郭媛元助教(東北大学学際科学フロンティア研究所)、井上久美准教授(東北大学大学院環境科学研究科・山梨大学工学部)らは、熱可塑性材料に熱と張力を加えて任意の断面デザインのファイバーを量産する「熱延伸法」により、BEM電極素子の量産化に世界で初めて成功しました。さらに同手法により先端がすぼまった形状のテーパードBEM電極素子の作製に成功し、小さな領域を大きく拡大された光イメージとして可視化する「拡大イメージング」の原理実証に世界で初めて成功しました。 BEMの実用化や超光学限界分子イメージングに繋がる本研究成果は2021年11月4日に『Advanced Materials Technologies』誌に掲載されました。 論文情報: Tomoki Iwama, Yuanyuan Guo, Shoma Handa, Kumi Y. Inoue, Tatsuo Yoshinobu, Fabien Sorin, Hitoshi Shiku Advanced Materials Technologies "Thermally-drawn multi-electrode fibers for bipolar electrochemistry and magnified electrochemical imaging" DOI: 10.1002/admt.202101066 https://doi.org/10.1002/admt.202101066 プレスリリース: 東北大学 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/11/press20211108-02-imaging.html
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研究会等のお知らせ2021.11.04
第25回学際科学フロンティア研究所セミナーは、電子部品の世界トップメーカである株式会社村田製作所の岩坪浩氏(取締役 専務執行役員,技術・事業開発本部 本部長)をお招きし、当社のイノベーションをご紹介頂きながら、日本企業が国際的なリーダーシップを保ちながら躍進するために、産学共同研究や、大学の特に若手研究者に期待すること等について、ご講演をお願いしています。 本セミナーは、学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブTI-FRISの産業界R&D社会実装講座を兼ねて開催されます。TI-FRISにおいて、この講座では、アカデミアと産業界で広く活躍できる能力を身につけるために、社会や企業における問題やその解決法、さらには社会と連携して研究成果を社会実装する方法について理解を深めることを目的としています。 講演後には、講師を囲んでの研究者との意見交換会も予定しております。東北大学内、そしてTI-FRIS参画大学の皆様の参加をお待ちしております。 日時: 2021年11月30日(火)14:00-15:00、意見交換会15:00-16:00 会場: オンライン(Zoom)、および学際科学フロンティア研究所セミナー室(オンサイトの参加者は講師とFRIS 教員、東北大学のTI-FRIS フェロー、および東北大学関係者に限定)のハイブリッド開催。ただし、状況によりオンライン会議のみ 講演者: 岩坪 浩 氏(株式会社村田製作所 取締役 専務執行役員、技術・事業開発本部 本部長、医療・ヘルスケア機器事業担当役員) 講演タイトル: 「村田製作所のイノベーション」 言語:日本語 主催: 学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS) 東北大学 学際科学フロンティア研究所 参加対象者: 東北大学に所属する教職員、およびTI-FRIS参画大学(弘前大学、岩手大学、東北大学、秋田大学、山形大学、福島大学、宮城教育大学)に所属する教職員および学生 参加申込方法: 申込フォーム https://forms.gle/JtFpfkDXCQ96Yg8r9 よりご登録ください。 申込締め切り: 11月24日(水) 問い合わせ先: 学際科学フロンティア研究所 鈴木一行、藤原英明 ura*fris.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)