トピックス
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お知らせ2023.02.27
新領域創成研究部の千葉杏子助教と先端学際基幹研究部の丹羽伸介准教授らの論文が、日本分子生物学会の国際学術誌『Genes to Cells』において、2021年1月~2022年12月に出版された中で被引用回数の多い論文として、出版元のWiley社から「Top Cited Article 2021-2022」に認定されました。 「Top Cited Article 2021-2022」に認定された論文は、次の通りです。 Juri Nakano, Kyoko Chiba, Shinsuke Niwa "An ALS-associated KIF5A mutant forms oligomers and aggregates and induces neuronal toxicity" Genes to Cells DOI: 10.1021/10.1111/gtc.12936 https://doi.org/10.1111/gtc.12936
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会議発表・論文・出版2023.02.27
先端学際基幹研究部の才田淳治教授、中国 華中科学技術大学 郭 威准教授、金沢大学 新山友暁准教授らの研究グループは、代表的な金属ガラスであるZr55Al10Ni5Cu30の熱的構造若返り(未緩和状態への回復)現象を調べ、緩和によって失われた塑性変形性(延性)の回復を明らかにし、科学誌 Journal of Physics: Condensed Matterに発表しました。 金属ガラスは低温での熱処理や加工により、ランダム構造にわずかな変化(原子の部分的再配列)を起こすことが知られています。この現象は緩和とよばれ、脆化の原因となります。才田教授らの研究グループでは、緩和した金属ガラスを熱的構造若返り処理によって部分的に未緩和状態に戻せることを明らかにしてきました。本研究は、このような熱的構造若返りによる塑性変形性(延性)回復のメカニズム等を実験および分子動力学シミュレーションを用いて考察したもので、若返り機構解明と特性改善に重要な知見を提案するものです。 本成果は、文部科学省科学研究費補助金 基盤研究A(18H03829)の支援を受けて行われた研究です。また、本研究は中国 華中科学技術大学との共同研究です。 なお、本研究の基礎となる成果は、東北大学学際科学フロンティア研究所 学際研究促進プログラム「ランダム原子配列構造制御の基礎科学と新材料・新機能創成への融合展開」(平成26~28年度)の支援を受けて行った研究によって得られました。 掲載論文: Wei Guo, Tomoaki Niiyama, Rui Yamada, Masato Wakeda, Junji Saida : Journal of Physics: Condensed Matter : 35 (2023) 154004. Synthesis and mechanical properties of highly structure-controlled Zr-based metallic glasses by thermal rejuvenation technique https://doi.org/10.1088/1361-648X/acb8a0
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会議発表・論文・出版2023.02.27
先端学際基幹研究部の才田淳治教授と国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)の譯田真人主任研究員は、金属ガラスのガラス構造決定因子を分子動力学(MD)シミュレーションを用いて特定し、科学誌Computational Materials Science に発表しました。 金属ガラスはその作製過程によって種々のガラス構造(緩和状態)が存在することが知られています。緩和状態は脆化等の機械的性質や物理的性質に大きな影響を与えます。才田教授らの研究グループでは、緩和現象の解明と緩和した金属ガラスを構造若返り処理によって部分的に未緩和状態に戻せることを明らかにしてきました。本研究は、緩和状態の決定過程を分子動力学シミュレーションを用いて明らかにしたものです。解析の結果、ガラス遷移温度直上での冷却速度が緩和状態決定に大きく影響していることが証明され、これは実験結果とも一致するものです。 本成果は、文部科学省科学研究費補助金 基盤研究A(18H03829)および若手研究A(17H04949)の支援を受けて行われた研究です。また、本研究の基礎となる成果は、東北大学学際科学フロンティア研究所 学際研究促進プログラム「ランダム原子配列構造制御の基礎科学と新材料・新機能創成への融合展開」(平成26~28年度)の支援を受けて行った研究によって得られました。 掲載論文: Masato Wakeda, Junji Saida : Computational Materials Science, 218 (2023) 111930. Temperature-dependent effect of cooling rate on the melt-quenching process of metallic glasses https://doi.org/10.1016/j.commatsci.2022.111930
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研究会等のお知らせ2023.02.07
ハイブリッド開催 FRIS Hub Meetingは、FRISの研究者全員が参加する研究発表セミナーで、月に一度8月を除く毎月第4木曜日に開催しています。これまで参加者はFRIS内の研究者を対象としていましたが、2019年12月より、対象を東北大学の研究者、学生へと広げました。 また、2021年1月からは学際融合東北拠点のTI-FRIS Hub Meetingと合同で開催しています。 言語は日本語と英語を混ぜて使用しています。異分野研究者同士では共通の常識や考え方は望めません。聴衆は発表中にどんどん質問し、討論し、理解を深めるようにしています。積極的にご参加ください。 【TI-FRISは、弘前大学、岩手大学、東北大学、秋田大学、山形大学、福島大学、宮城教育大学、三菱総合研究所によるコンソーシアム事業です。】 第40回 FRIS Hub Meeting(TI-FRIS Hub Meetingとの合同開催) 日時:2023年2月24日(金)11:00-12:00 開催方式:ハイブリッド開催(オンライン/Zoom ・学際科学フロンティア研究所セミナー室) ※オンサイト参加は当面はFRIS教員及びTI-FRISフェローに限定させていただきます。 オンライン参加ご希望の方は、事前登録が必要になります。 オンライン参加者 申し込みフォームよりご登録ください。 発表者: Daniel Pastor-Galán 助教 (東北大学 学際科学フロンティア研究所/先端基礎科学) 発表タイトル: UNEARTHING lost continents to unravel the cryptic recycling of continental crust into the mantle 要旨: 固体地球の地質現象を説明する統一パラダイムであるプレート テクトニクスは、地球の外殻の複雑な進化を促進し、プレートの動き、マントルのダイナミクス、および長期的な気候変動を支配する。固体地球科学によって復元された地球史は、主に大陸に残された地質記録にもとずいている。プレート テクトニクスにおいて、プレートの動きは、プレート沈み込み帯での海洋リソスフェアの沈み込み・リサイクルの結果として説明されてきた。一方、軽い大陸はその浮力によって簡単にマントル深部に沈むことができないと考えられてきた。しかし、最近の固体地球の進化モデルは、現在の大陸の約65体積%が30億年前 までに存在していたことを示し、30億年前よりも古いものは10%に満たない。それらの新しい事実は、これまで簡単にマントル深部に沈み込むことがないと考えられてきた大陸地殻物質の膨大な量がマントル深部にリサイクルされてきたことを強く示唆する。従って、大陸地殻のリサイクルを考慮に入れた巨視的な物質循環の理解の再構築が求められる。 ◆FRIS Hub Meetingについて
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お知らせ2023.02.01
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、創発的研究支援事業の2022年度研究提案募集における新規採択研究代表者および研究課題を決定しました。 応募総数2,790件に対し263件が採択となり、学際科学フロンティア研究所からは翁岳暄助教の研究課題が採択されました。2020〜2021年度採択分と合わせ、本研究所からは8名の若手研究者が創発的研究支援事業採択課題の研究代表者になりました。 今回「人間とロボット共存のためのデザイン中心ガバナンス:エシカルデザインの視点から」という研究課題が採択された翁岳暄助教は、「IEEEの国際標準化推進活動により、知能ロボット倫理設計の方法論と実証実験を試して法的機械言語という新しい人工知能倫理標準を実現したいです」とコメントしています。 創発的研究支援事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ長期的に支援します。また、創発を促進するため、支援期間中は、異分野を含む多様な研究者同士が相互に触発し、切磋琢磨する「創発の場」を設けることで、破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指すものです。 「創発的研究支援事業」採択者一覧(東北大学) https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/newsimg/news20230130_jst.pdf 創発的研究支援事業 https://www.jst.go.jp/souhatsu/index.html 2022年度採択課題一覧 https://www.jst.go.jp/souhatsu/document/res2022.pdf
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研究会等のお知らせ2023.01.30
オンライン開催 2022年度 FRIS/TI-FRIS Life Science Seminar(全11回) 昨年度に引き続きFRIS/TI-FRIS 共催のもと、学際研の有志がオーガナイザー(座長)となり、生命・環境の研究に関するセミナーシリーズを企画しました。 学際研究を推進する上で「皆にぜひ紹介したい」「異分野連携の推進が望める」といった、各オーガナイザー肝煎りの講師陣です。 今年度は異分野の生物学的研究トピックに幅を広げています。興味のある方は、ぜひご聴講ください。 Vol. 11 < Vol.11はオンラインのみの開催となります。> 2023年2月9日(木) オーガナイザー(座長):千葉杏子 仁田亮 先生(神戸大学) 『クライオ電子顕微鏡で見る医学・生命科学』 Vol.11への 参加登録はこちらから ※オンサイト参加可能人数の上限は40名です。 ※新型コロナウイルスの感染状況によっては、感染拡大防止の観点から、オンサイト参加対象の制限、上限の変更等が生じる場合もございますので、ご理解願います。 主催:東北大学 学際科学フロンティア研究所(FRIS)、学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS) お問い合わせ TI-FRIS事務局 @
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研究会等のお知らせ2023.01.27
オンライン開催 ZoomによるWeb開催となります。 令和4年度 後期第5回 全領域合同研究交流会を開催します。 日時:2月6日 (火) 13:30~ ※学内限定とさせて頂きます ZoomによるWeb開催となります。 教育院生及び学際研関係者以外の方で参加をご希望の方は2月2日(木)13時までに下記のフォームから 申し込みをお願い致します。 追って参加方法等についてご連絡致します。 参加申込フォーム:https://forms.gle/YHMMjYjJXB8fp6wu7 また参加には東北大メールが必要となりますので予めご確認下さい。 口頭発表者は以下の通りです。 【氏名】宇田川 喜信 【所属】環境科学研究科 / デバイス・テクノロジー領域 【タイトル 】細胞代謝物のin situリアルタイム計測に向けた電気化学デバイスの開発 【Title】Electrochemical devices for in-situ real-time measurement of cell metabolites 【氏名】村上 将希 【所属】生命科学研究科 / 生命・環境領域 【タイトル】島嶼植物における種分化と種子散布の関係性の検証 【Title】Relationship between genetic differentiation and seed dispersal of insular plants 【氏名】溝上 諒平 【所属】工学研究科 / 物質材料・エネルギー領域 【タイトル】トリプチセン骨格とアルキルアミドを用いた強誘電体の開発 【Title】Development of Ferroelectrics Using a Triptycene Skeleton and Alkylamides 場所: オンラインセミナー(Zoom) R4後期第5回抄録集.pdf ■全領域合同研究交流会について
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会議発表・論文・出版2023.01.26
現在の医療技術においては、様々な機能を有するカテーテルと呼ばれる医療器具が治療や生体検査で広く活用されています。これらは基本的に細長い形状をしており、生体内の血管や気管支のような複雑に分岐した微細な管状組織に対して使用されています。しかし、医療用器具として有用な複数の機能(屈曲変形、電気化学センサなど)をまとめて付与したい場合には、個別に単一性能のカテーテル素子を多段階に積層させる従来の製法では線径が太くなり大型化してしまう傾向があります。このため生体内の目標部位にサイズとして適合できない場合には、必要最低限の機能しか選択する事ができません。 東北大学学際科学フロンティア研究所の郭媛元助教と佐藤雄一研究員は、「金太郎飴」の作製方法と類似している熱延伸プロセスを活用し、繊細かつ柔軟な繊維 (ファイバ)として線径を数百ミクロン程度にまで抑制しながら、屈曲変形および神経伝達物質をモニタリングできる多機能性カテーテルの開発に成功しました。またこれらの有効性を、分岐した血管と血流をモデルとした実験系で確認しました。 本研究成果は、工学分野における米化学会の専門誌である『ACS Applied Engineering Materials』に2023年1月23日付で掲載されました。 図:熱延伸法により成型物から作製されたアクチュエータ及びセンシング機能を集積したファイバ。 論文情報: Yuichi Sato, Yuanyuan Guo* (*corresponding author) “Shape-memory-alloys enabled actuatable fiber sensors via the preform-to-fiber fabrication” ACS Applied Engineering Materials DOI: 10.1021/acsaenm.2c00226 https://doi.org/10.1021/acsaenm.2c00226 プレスリリース: 東北大学 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2023/01/press20230126-01-fiber.html
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研究会等のお知らせ2023.01.25
ハイブリッド/オンライン開催 2022年度 FRIS/TI-FRIS Life Science Seminar(全11回) 昨年度に引き続きFRIS/TI-FRIS 共催のもと、学際研の有志がオーガナイザー(座長)となり、生命・環境の研究に関するセミナーシリーズを企画しました。 学際研究を推進する上で「皆にぜひ紹介したい」「異分野連携の推進が望める」といった、各オーガナイザー肝煎りの講師陣です。 今年度は異分野の生物学的研究トピックに幅を広げています。興味のある方は、ぜひご聴講ください。 Vol. 10 2023年1月26日(木) オーガナイザー(座長):常松友美 高橋阿貴 先生(筑波大学) 『攻撃行動の神経生物学:背側縫線核の役割』 Vol.10への 参加登録はこちらから 次回セミナーの予定: Vol. 11 < Vol.11はオンラインのみの開催となります。> 2023年2月9日(木) オーガナイザー(座長):千葉杏子 仁田亮 先生(神戸大学) 『クライオ電子顕微鏡で見る医学・生命科学』 Vol.11への 参加登録はこちらから ※オンサイト参加可能人数の上限は40名です。 ※新型コロナウイルスの感染状況によっては、感染拡大防止の観点から、オンサイト参加対象の制限、上限の変更等が生じる場合もございますので、ご理解願います。 主催:東北大学 学際科学フロンティア研究所(FRIS)、学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS) お問い合わせ TI-FRIS事務局 @
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研究会等のお知らせ2023.01.17
ハイブリッド開催 日本の各地に、例えば古文書のような、地域の過去を復元したり、アイデンティティの拠り所となるような「資料」が残されています。AMANEさんは、高い専門性を活かしてそうした「資料」の保全や活用に取り組むだけでなく、さまざまなステークホルダーをつなぐお仕事もなさっています。今回は、そんなAMANEの堀井洋氏に、その取り組みと目指すところについてお話頂きます。 講演者:堀井 洋 氏(合同会社AMANE) タイトル:「多様な担い手たちによる地域資料の継承」 日時:1月24日(火)16:20~17:50 セミナーのURLは後日登録頂いたメールアドレス宛に送信されます。 参加ご希望の方は 参加申し込みフォーム よりご登録ください。 主催:東北大学学際科学フロンティア研究所 2022年度 展開ゼミ「東北大生のためのハローワーク」Webサイト: http://tamyu.jp/teaching/hellowork2022/ お問い合わせ 学際科学フロンティア研究所 准教授 田村 @