トピックス
-
研究会等のお知らせ2022.11.04
ハイブリッド開催 第27回学際科学フロンティア研究所セミナーでは、高インパクトの研究成果を創出・発表する上で、研究者や管理者、支援者が備えておくべき研究倫理の基礎知識について、(1) 成果の適切な投稿先・発表先の選択 (2) 著作権の取り扱い の観点から2つの講演によりご紹介します。 本セミナーは、学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブTI-FRISの学術インパクト講座を兼ねて開催されます。この講座は、世界のトップジャーナルへの論文掲載等、世界トップレベルの学術的インパクトを生み出すためのスキルの修得を目指します。 東北大学およびTI-FRIS参画大学の皆様の参加をお待ちしております。 開催日時: 2022年12月13日(火)13:00-15:45 会場: オンライン(Zoom)、および学際科学フロンティア研究所セミナー室(オンサイトの参加者は講師とTI-FRIS フェロー、FRIS教員および東北大学関係者のみ)のハイブリッド開催(ただし、状況によりオンライン会議のみとなることがあります) 講演1(13:00-14:15) 講演者: 東北大学学際科学フロンティア研究所 才田 淳治 教授(研究公正アドバイザー) 講演タイトル: 研究成果の公正な発表に向けて 講演内容: 近年、研究者は成果の発表を社会から強く要請されるとともに、その質や量が自身のキャリア形成にも大きな影響を与えています。一方、研究者が発表する成果媒体(学術誌)もオンライン化によって多様化しており、一部には商業性が大きな比重を占めるものもでてきています。本セミナーでは、研究者が自身の成果をどのように発表することが望まれるのか、投稿学術誌や発表会議の観点から考えます。 講演者プロフィール: 科学技術振興事業団(現:科学技術振興機構(JST))ERATOグループリーダー、東北大学金属材料研究所助教授を経て、2003年より東北大学学際科学国際高等研究センター企画部助教授。2007年、同准教授。2013年、学際科学フロンティア研究所企画部教授 (先端学際基幹研究部・先端基礎科学領域兼務) 。専門は非平衡物質工学。 講演2(14:30-15:45) 講演者: 東北大学研究推進・支援機構URAセンター 稲穂 健市 特任教授(弁理士) 講演タイトル: 研究活動及びその関連活動において考慮すべき著作権 講演内容: コロナ禍でますます進行するデジタル化の中で、研究活動そのものはもちろん、教育活動や研究支援活動といったその関連活動においても著作権に留意しなければいけない局面が増えてきています。本講演では、研究活動の中でも重要な論文執筆、教育活動としての各種授業、研究支援活動としての広報・アウトリーチといった3つのケースのそれぞれにおいて留意すべき著作権の制度や実務について解説します。 講演者プロフィール: 東北大学研究推進・支援機構URAセンター特任教授(首席URA)。弁理士、米国公認会計士(デラウェア州Certificate)、科学技術ジャーナリスト。大手電気機器メーカーの知的財産部門、米国研究開発拠点、新規事業プロジェクトなどを経て東北大学に着任。2022年4月、知的財産権訴訟における裁判所専門委員に就任(東京高等裁判所、東京地方裁判所、大阪地方裁判所所属)。著作としては『楽しく学べる「知財」入門』(講談社現代新書)などがある。 言語:日本語・英語併用 主催: 学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS) 東北大学 学際科学フロンティア研究所 参加対象者: 東北大学およびTI-FRIS参画大学(弘前大学、岩手大学、東北大学、秋田大学、山形大学、福島大学、宮城教育大学)の教職員、学生 参加申込方法: 申込フォームよりご登録ください。 参加申込締切: (オンサイト参加)2022年12月2日(金)正午 (オンライン参加)2022年12月12日(月)正午 お問い合わせ FRIS企画部/TI-FRISコーディネーター 鈴木、藤原 @
-
会議発表・論文・出版2022.11.02
人工多能性幹細胞(iPSC)や生体幹細胞から生体のミニ組織(オルガノイド)を作ることが可能となったことで、薬剤探索ツールとしての活用が期待されています。ミニ組織モデルの機能を維持しつつ生体内の機能に近づけるためには、ミニ組織の周囲に血管網を整備することが欠かせません。しかし、血管と統合したミニ組織モデルの機能評価の効率に課題を残していました。 東北大学学際科学フロンティア研究所の梨本裕司助教(現:東京医科歯科大学生体材料工学研究所 准教授)を中心とする東北大学、京都大学、九州大学の共同研究チームは、電気化学センサの一種である、走査型電気化学顕微鏡(SECM)を用い、血管と統合されたミニ組織モデルの酸素代謝活動を評価するシステムを開発しました。また、実際にがんのオルガノイド(がんのミニ組織)に実際に応用して酸素代謝の変化を元に薬剤効果の評価が可能であることを確認しました。今回開発したシステムは、血管を介して投与される薬剤の応答をリアルタイムで評価できます。今後、評価項目の拡充や評価結果の安定性の向上により、薬剤スクリーニングツールとしての応用が期待されます。 本研究成果は、バイオセンシング分野の国際的な学術誌である『Biosensors and Bioelectronics』に、2022年10月29日付で掲載されました。 図:ミニ組織モデルの血管統合システム、酸素代謝計測システム。 (左)マイクロ流体デバイスの写真、(右)電気化学センシング、経血管刺激の模式図。(クレジット:Yuji Nashimoto et al.) 論文情報: 梨本裕司*、向本励†、今泉拓斗†、寺井崇人†、宍戸昌太郎、伊野浩介、横川隆司、三浦岳、小沼邦重、井上正宏、珠玖仁* (*責任著者、†同程度の貢献) Biosensors and Bioelectronics "Electrochemical sensing of oxygen metabolism for a three-dimensional cultured model with biomimetic vascular flow" DOI: 10.1016/j.bios.2022.114808 https://doi.org/10.1016/j.bios.2022.114808 プレスリリース: 東北大学 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/11/press20221102-02-model.html 東北大学大学院工学研究科 https://www.eng.tohoku.ac.jp/news/detail-,-id,2342.html 東北大学大学院環境科学研究科 http://www.kankyo.tohoku.ac.jp/news/news-award.html#20221102 九州大学 https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/835
-
研究会等のお知らせ2022.11.01
ZoomによるWeb開催となります。 教育院生及び学際研関係者以外の方で参加をご希望の方は11月7日(月)13時までに下記のフォームから 申し込みをお願い致します。 追って参加方法等についてご連絡致します。 参加申込フォーム:https://forms.gle/hVFhgdNiUXqu66od9 また参加には東北大メールが必要となりますので予めご確認下さい。 口頭発表者は以下の通りです。 「様々な物性を示す新物質群:希土類単酸化物」 Rare earth monoxides with various physical properties 佐々木 智視(理学研究科 / 先端基礎科学領域) 「老齢期特有の精子幹細胞維持メカニズムの解明」 Maintenance mechanisms of spermatogonial stem cells specific to old age 河原 輝宙(農学研究科 / 生命・環境領域) 「CO2回収技術は本当に地球温暖化を抑制できるのか」 Life cycle assessment of carbon capture technologies: are they truly effective to mitigate the global warming? 八木原 昂輝 (工学研究科 / 物質材料・エネルギー領域) 場所: オンラインセミナー(Zoom) R4後期第2回抄録集.pdf ■全領域合同研究交流会について
-
研究会等のお知らせ2022.10.31
ハイブリッド開催 考古学が扱う「埋蔵文化財」は、地域のアイデンティティになることもあれば、人類全体の歴史を明らかにする手がかりにもなします。 大学、国際機関、地域の行政と、さまざまなスケールで活躍する有松さんに、考古学者の仕事についてお話頂きます。 講演者:有松 唯 氏(広島大学) タイトル:「考古学者の仕事 - グローバルとローカル、過去と現在をつなぐ -」 日 時:11月1日(火)16:20~17:50 セミナーのURLは後日登録頂いたメールアドレス宛に送信されます。 参加ご希望の方は 参加申し込みフォーム よりご登録ください。 主催:東北大学学際科学フロンティア研究所 2022年度 展開ゼミ「東北大生のためのハローワーク」Webサイト: http://tamyu.jp/teaching/hellowork2022/ お問い合わせ 学際科学フロンティア研究所 准教授 田村 @
-
研究会等のお知らせ2022.10.21
オンライン開催 2022年度 FRIS/TI-FRIS Life Science Seminar(全12回) / オンライン開催 昨年度に引き続きFRIS/TI-FRIS 共催のもと、学際研の有志がオーガナイザー(座長)となり、生命・環境の研究に関するセミナーシリーズを企画しました。 学際研究を推進する上で「皆にぜひ紹介したい」「異分野連携の推進が望める」といった、各オーガナイザー肝煎りの講師陣です。 今年度は異分野の生物学的研究トピックに幅を広げています。興味のある方は、ぜひご聴講ください。 ※Vol. 9以降の参加登録は、受付開始までお待ちください。受付開始はFRIS Webサイトにてお知らせいたします。 Vol. 8 開催日:11月11日(金) オーガナイザー(座長):安井浩太郎 風間北斗 先生(理化学研究所) 『脳は如何に匂いの価値を認識するのか?ー情報処理と神経回路メカニズム―』 Vol.8への 参加登録はこちらから ※オンサイト参加可能人数の上限は40名です。 ※新型コロナウイルスの感染状況によっては、感染拡大防止の観点から、オンサイト参加対象の制限、上限の変更等が生じる場合もございますので、ご理解願います。 【今後の予定】 ※今後の参加登録は、受付開始までお待ちください。受付開始はFRIS Webサイトにてお知らせいたします。 Vol. 9 2023年1月13日(金) オーガナイザー:岡本泰典 小嶋良輔 先生(東京大学) 『合成生物学的手法による細胞外小胞の包括的理解と発展的利用』 Vol. 10 2023年1月26日(木) オーガナイザー:常松友美 高橋阿貴 先生(筑波大学) 『攻撃行動の神経生物学:背側縫線核の役割』 Vol. 11 2023年2月9日(木) オーガナイザー:千葉杏子 仁田亮 先生(神戸大学) 『クライオ電子顕微鏡で見る医学・生命科学』 Vol. 12 2023年2月16日(木) オーガナイザー:丹羽伸介 古田健也(情報通信研究機構) 『モータータンパク質とそのシステムをいじり倒して理解する』 ※Vol.12は都合により中止となりました。 主催:東北大学 学際科学フロンティア研究所(FRIS)、学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS) お問い合わせ TI-FRIS事務局 @
-
研究会等のお知らせ2022.10.17
ハイブリッド開催 2022年5月より、FRIS/TI-FRIS 共催のもと、材料・デバイス研究に関するセミナーシリーズを開催しています。 材料・デバイス分野を主な研究の場とするスター研究者を招待し、最新のトピックを中心に研究紹介をしていただきます。 セミナーを通じた学内外研究者間の交流活性化を重視し、可能な限りハイブリッドでの開催を企画してまいります。 興味のある方はぜひご聴講ください。 東北大学およびTI-FRIS参画大学の皆様のご参加をお待ちしております。 第4回 開催日時: 2022年11月14日(月)13:00-14:00 会場: ハイブリッド開催/ 学際科学フロンティア研究所セミナー室、ZOOM 講演者: 岡本章玄 先生(物質・材料研究機構 グループリーダー、北海道大学 客員教授) 講演タイトル: 「電気細菌とナノ材料の織り成すシビれる世界」 オーガナイザー:下川航平(学際科学フロンティア研究所) 主催: 学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS) 東北大学 学際科学フロンティア研究所 参加対象者: 東北大学およびTI-FRIS参画大学(弘前大学、岩手大学、東北大学、秋田大学、山形大学、福島大学、宮城教育大学)の教職員、学生 最新情報や参加申込方法名地、詳細は下記専用サイトをごらんください。 イベント情報ーFRIS/TI-FRIS Materials Science Seminarー http://nano.chem.tohoku.ac.jp/archives/443 参加登録URL: https://forms.gle/uurnTrXHbMcWmbKk8 ※Material Science Seminar 今後の開催予定 Vol.05 / 2023. 01 Vol.06 / 2023. 03 お問い合わせ先: 下川航平(学際科学フロンティア研究所) kohei.shimokawa.b7*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
-
研究会等のお知らせ2022.10.14
ハイブリッド開催 FRIS Hub Meetingは、FRISの研究者全員が参加する研究発表セミナーで、月に一度8月を除く毎月第4木曜日に開催しています。これまで参加者はFRIS内の研究者を対象としていましたが、2019年12月より、対象を東北大学の研究者、学生へと広げました。 また、2021年1月からは学際融合東北拠点のTI-FRIS Hub Meetingと合同で開催しています。 言語は日本語と英語を混ぜて使用しています。異分野研究者同士では共通の常識や考え方は望めません。聴衆は発表中にどんどん質問し、討論し、理解を深めるようにしています。積極的にご参加ください。 【TI-FRISは、弘前大学、岩手大学、東北大学、秋田大学、山形大学、福島大学、宮城教育大学、三菱総合研究所によるコンソーシアム事業です。】 第36回 FRIS Hub Meeting(TI-FRIS Hub Meetingとの合同開催) 日時:2022年10月27日(木)11:00-12:00 開催方式:ハイブリッド開催(オンライン/Zoom ・学際科学フロンティア研究所セミナー室) ※オンサイト参加は当面はFRIS教員及びTI-FRISフェローに限定させていただきます。 オンライン参加ご希望の方は、事前登録が必要になります。 オンライン参加者 申し込みフォームよりご登録ください。 発表者: 阿部 博弥 助教 (学際科学フロンティア研究所/TI-FRISフェロー/デバイス・テクノロジー) 発表タイトル: 生物に倣う材料設計 (Bio-inspired material design) 要旨: 生物は何万年、何億年とかけて進化を続けてきました。その過程で、環境に適応するため、外敵から身を守るため、さまざまな理由で構造や機能が最適化され現在の生物があります。生物が何億年とかけて最適化された構造や機能をヒントに、学術や産業に取り入れることで新たな科学技術の創出が期待できます。本発表では、生物模倣学(Biomimicry)の紹介から実際の事例を含めて紹介します。 ◆FRIS Hub Meetingについて
-
会議発表・論文・出版2022.10.07
海中を漂うプランクトンであるクラゲ類は、イソギンチャクやサンゴと同じ刺胞動物門に属し、動物の発生や行動の進化を理解する上で重要な研究対象です。これまでの刺胞動物を用いた細胞や分子レベルの研究では、一部のポリプ型の動物を中心に展開されてきたこともあり、メデューサのステージをもつクラゲ類に特徴的な生命現象の分子レベルの理解はあまり進んでいませんでした。その理由として、マイクロインジェクションによる胚操作が困難であったことが挙げられます。 東北大学学際科学フロンティア研究所の中嶋悠一朗博士(研究当時・助教、現・東京大学大学院薬学系研究科・講師)は、小澤(増田)ときは博士(研究当時・学術研究員、現・生命科学研究科)、生命科学研究科大学院生の冨士田壮佑氏、倉永英里奈教授らとともに、クラゲ類の初期胚の遺伝子を効率よく、かつシステマティックに発現抑制(ノックダウン)する手法を確立しました。 研究グループは、複数種のヒドロ虫綱クラゲの受精卵を使って、RNAi法による遺伝子発現の抑制(ノックダウン)に成功しました。本研究で確立した手法は、クラゲ類だけでなく他の海産無脊椎動物にも適用可能な手法であり、初期胚の遺伝子機能を解析する上で大変有用と考えられます。 本研究成果は、国際科学誌『Scientific Reports』 に2022年9月30日に掲載されました。 モデルクラゲであるクリティアと非モデルクラゲのエダアシクラゲ。本研究では、これらの受精卵を使って、RNAi法による遺伝子ノックダウンを導入することに成功した。 論文情報: Tokiha Masuda-Ozawa, Sosuke Fujita, Ryotaro Nakamura, Hiroshi Watanabe, Erina Kuranaga, and Yu-ichiro Nakajima* Scientific Reports 12, Article number: 16049 (2022) "siRNA-mediated gene knockdown via electroporation in hydrozoan jellyfish embryos" DOI: 10.1038/s41598-022-20476-1 https://doi.org/10.1038/s41598-022-20476-1 プレスリリース: 東北大学 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/10/press20221007-02-kurage.html 東北大学大学院生命科学研究科 https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/research/results/detail---id-50936.html
-
研究会等のお知らせ2022.10.06
オンライン開催 2022年度 FRIS/TI-FRIS Life Science Seminar(全12回) / オンライン開催 昨年度に引き続きFRIS/TI-FRIS 共催のもと、学際研の有志がオーガナイザー(座長)となり、生命・環境の研究に関するセミナーシリーズを企画しました。 学際研究を推進する上で「皆にぜひ紹介したい」「異分野連携の推進が望める」といった、各オーガナイザー肝煎りの講師陣です。 今年度は異分野の生物学的研究トピックに幅を広げています。興味のある方は、ぜひご聴講ください。 ※Vol. 9以降の参加登録は、受付開始までお待ちください。受付開始はFRIS Webサイトにてお知らせいたします。 Vol. 7 10月18日(火) オーガナイザー(座長):工藤雄大 瀬戸義哉 先生(明治大学) 『根寄生雑草の種子発芽を制御する微生物代謝物の探索』 Vol.7への 参加登録はこちらから Vol. 8 開催日:11月11日(金) オーガナイザー(座長):安井浩太郎 風間北斗 先生(理化学研究所) 『脳は如何に匂いの価値を認識するのか?ー情報処理と神経回路メカニズム―』 Vol.8への 参加登録はこちらから ※オンサイト参加可能人数の上限は40名です。 ※新型コロナウイルスの感染状況によっては、感染拡大防止の観点から、オンサイト参加対象の制限、上限の変更等が生じる場合もございますので、ご理解願います。 【今後の予定】 ※今後の参加登録は、受付開始までお待ちください。受付開始はFRIS Webサイトにてお知らせいたします。 Vol. 9 2023年1月13日(金) オーガナイザー:岡本泰典 小嶋良輔 先生(東京大学) 『合成生物学的手法による細胞外小胞の包括的理解と発展的利用』 Vol. 10 2023年1月26日(木) オーガナイザー:常松友美 高橋阿貴 先生(筑波大学) 『攻撃行動の神経生物学:背側縫線核の役割』 Vol. 11 2023年2月9日(木) オーガナイザー:千葉杏子 仁田亮 先生(神戸大学) 『クライオ電子顕微鏡で見る医学・生命科学』 Vol. 12 2023年2月16日(木) オーガナイザー:丹羽伸介 古田健也(情報通信研究機構) 『モータータンパク質とそのシステムをいじり倒して理解する』 ※Vol.12は都合により中止となりました。 主催:東北大学 学際科学フロンティア研究所(FRIS)、学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS) お問い合わせ TI-FRIS事務局 @
-
会議発表・論文・出版2022.10.05
私たちの住む地球を含む惑星は、誕生後間もない恒星(原始星)の周囲に形成されるガスとちりでできた円盤(原始惑星系円盤)の中で作られます。原始惑星系円盤の力学的進化や化学組成は、その電離状態に大きく依存することが知られています。宇宙を満たしている高エネルギーの荷電粒子(宇宙線)は原始惑星系円盤の主要な電離源と考えられてきました。しかし、過去の理論モデルでは宇宙線の原始惑星系円盤への侵入を単純化しすぎており、近年見積もられている星間空間での宇宙線量を使用すると、電波観測から得られる原始惑星系円盤の化学組成と整合しないものとなっていました。 京都大学の藤井悠里助教と東北大学学際科学フロンティア研究所の木村成生助教は、星間空間を漂う宇宙線が原始惑星系円盤に侵入する際に現れる磁場構造に起因する諸現象を考慮に入れた上で、原始惑星系円盤周囲における宇宙線量の空間分布を見積もる理論モデルを構築しました。この理論モデルでは、原始惑星系円盤の内縁部では従来の理論モデルよりも低い電離率となる一方、外縁部では星間空間の宇宙線量で決まる電離率と同程度の電離率になります。 最新の星間空間での宇宙線量を用いて今回の新たな理論モデルを適用すると、近年の電波観測から得られている化学組成を説明できることがわかりました。さらに、この理論モデルが予言する電離率分布は、原始惑星系円盤の乱流強度の観測的な見積もりとも整合的です。今後、さらなる観測の進展や数値シミュレーションの発展により、原始惑星系円盤における宇宙線の役割が理解され、惑星の形成過程の解明に繋がると期待されています。 研究チームが新たに構築した、原始惑星系円盤周囲の宇宙線量の空間分布を見積もる理論モデルの模式図。(クレジット:Fujii & Kimura) この研究成果は米国天文学会発行の天体物理学専門誌『The Astrophysical Journal Letters』誌に2022年9月30日付けで掲載されました。 論文情報: Yuri I. Fujii(京都大学)& Shigeo S. Kimura(東北大学) The Astrophysical Journal Letters, 2022, 937 L37 "Cosmic-Ray Ionization Rate in Protoplanetary Disks with Sheared Magnetic Fields" DOI: 10.3847/2041-8213/ac86c2 https://doi.org/10.3847/2041-8213/ac86c2