トピックス
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お知らせ2022.07.27
2022年7月25日、学際科学フロンティア研究所において、仙台市内の高校生を対象とした公開講演会「材料学ってなんだろう?」を開催しました。この講演会は学際科学フロンティア研究所が主催する研究者体験プログラム「マテジョLABO (マテリアル×女子高生×Laboratory)」の一環として開催したもので、科学に興味がある10名の高校生が参加しました。 講演会では、先端学際基幹研究部の増本博教授が「材料学ってなんだろう?」というトピックで、分かりやすく材料科学研究の魅力を伝えるとともに、進路選択に悩む高校生の疑問に答えました。参加者からは、「今抱いている漠然とした興味をどう進路に繋げていけばよいのか、参考になった」「“使えるものはなんでも使え”という材料学の精神に感銘を受けた」といった声が聞かれました。 今後、「マテジョLABO」に関連するイベントとして、8月17日にも金属材料研究所において高校生を対象とした公開講演会の開催を予定しています。 「マテジョLABO」は学際科学フロンティア研究所の2022年度領域創成研究プログラムの支援を受けて活動しています。 活動の内容に興味のある方は下記ウェブサイトをご覧ください。 「マテジョLABO」ウェブサイト http://www2.fris.tohoku.ac.jp/~aoki/
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お知らせ2022.07.26
千葉杏子助教(新領域創成研究部・プロミネントリサーチフェロー)が【TOHOKU University Researcher in Focus】で紹介されました。 学際研ならではの研究手法で新しい発見を成し遂げた経緯がまとめられています。ぜひご一読ください。 【TOHOKU University Researcher in Focus】Vol.019 細胞内をピョコピョコ動き回るモータータンパク質をつかまえたい http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/07/in-focusvol019.html
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会議発表・論文・出版2022.07.22
他者から悪意を向けられると、苛立ったり攻撃的な気持ちになったりします。雄マウスも、ライバルに挑発されると、通常よりも激しい攻撃行動を示すようになることが分かっています。このように、挑発を受けて攻撃行動が激しくなるとき、脳の中では何が起こっているのでしょうか。 筑波大学の高橋阿貴准教授、慶應義塾大学の田中謙二教授、東北大学大学院生命科学研究科(学際科学フロンティア研究所 兼務)の常松友美助教らの研究グループは、これまでにマウスを用いた実験で、他者からの挑発(社会的挑発)を受けたときに、脳内の背側縫線核において、興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸の入力が増加することを明らかにしています。 背側縫線核にグルタミン酸ニューロンの投射を行う脳領域の一つに、不快情動やストレスに関わる外側手綱核があります。今回研究チームは、この外側手綱核から背側縫線核への投射ニューロンが、社会的挑発を受けることにより活性化することを見いだしました。この神経投射の活動を抑制すると、社会的挑発を受けても攻撃行動が起こらなくなることから、外側手綱核から背側縫線核への興奮性入力が社会的挑発による攻撃行動の増加に関与することが示されました。さらに、社会的挑発による攻撃行動の増加には、背側縫線核の非セロトニンニューロンのうち、腹側被蓋野に投射しているニューロンが関与することが示されました。 本研究成果により、攻撃行動が過剰になるメカニズムの一端が明らかとなりました。このような知見は、人間の暴力性の問題の理解にもつながると考えられます。 この研究成果は、2022年7月21日に、『Nature Communications』誌に掲載されました。 図 本研究の概要 (上)社会的挑発は雄マウスの攻撃行動を増加させる。 (下)社会的挑発は、外側手綱核から背側縫線核への投射ニューロンを活性化させる。そしてその情報を受け取った背側縫線核から腹側被蓋野への投射ニューロンが活性化することで、攻撃行動が増加する。 論文情報: Aki Takahashi, Romain Durand-de Cuttoli, Meghan E Flanigan, Emi Hasegawa, Tomomi Tsunematsu, Hossein Aleyasin, Yoan Cherasse, Ken Miya, Takuya Okada, Kazuko Keino-Masu, Koshiro Mitsui, Long Li, Vishwendra Patel, Robert D Blitzer, Michael Lazarus, Kenji F Tanaka, Akihiro Yamanaka, Takeshi Sakurai, Sonoko Ogawa, Scott J Russo Nature Communications "Lateral habenula glutamatergic neurons projecting to the dorsal raphe nucleus promote aggressive arousal in mice." DOI: 10.1038/s41467-022-31728-z https://doi.org/10.1038/s41467-022-31728-z プレスリリース: 東北大学生命科学研究科 https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/date/detail---id-50832.html 東北大学 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/07/press20220722-01-brain.html 筑波大学 https://www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20220721180000.html 慶應義塾大学 https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2022/7/22/28-125792/
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研究会等のお知らせ2022.07.14
ZoomによるWeb開催となります。 教育院生及び学際研関係者以外の方で参加をご希望の方は7月15日(金)13時までに下記のフォームから 申し込みをお願い致します。 追って参加方法等についてご連絡致します。 参加申込フォーム:https://forms.gle/DctFG3TAQDD1BcHaA また参加には東北大メールが必要となりますので予めご確認下さい。 また、口頭発表者は以下の通りです。 ・斎藤 高雅(工学研究科 / 物質材料・エネルギー領域) ・木内 桜(学際科学フロンティア研究所 / 人間・社会領域) ・木村 成生(学際科学フロンティア研究所 / 先端基礎科学領域) 場所: オンラインセミナー(Zoom) R4前期第3回抄録集.pdf ■全領域合同研究交流会について
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研究会等のお知らせ2022.07.12
ハイブリッド開催 FRIS Hub Meetingは、FRISの研究者全員が参加する研究発表セミナーで、月に一度8月を除く毎月第4木曜日に開催しています。これまで参加者はFRIS内の研究者を対象としていましたが、2019年12月より、対象を東北大学の研究者、学生へと広げました。 また、2021年1月からは学際融合東北拠点のTI-FRIS Hub Meetingと合同で開催しています。 言語は日本語と英語を混ぜて使用しています。異分野研究者同士では共通の常識や考え方は望めません。聴衆は発表中にどんどん質問し、討論し、理解を深めるようにしています。積極的にご参加ください。 【TI-FRISは、弘前大学、岩手大学、東北大学、秋田大学、山形大学、福島大学、宮城教育大学、三菱総合研究所によるコンソーシアム事業です。】 第34回 FRIS Hub Meeting(TI-FRIS Hub Meetingとの合同開催) 日時:2022年7月28日(木)11:00-12:00 開催方式:ハイブリッド開催(オンライン/Zoom ・学際科学フロンティア研究所セミナー室) ※オンサイト参加は当面はFRIS教員及びTI-FRISフェローに限定させていただきます。 オンライン参加ご希望の方は、事前登録が必要になります。 オンライン参加者 申し込みフォームよりご登録ください。 発表者: 工藤 雄大 助教(東北大学 学際科学フロンティア研究所/生命・環境) 発表タイトル: 自然界に眠る未知分子の探索 (Hunting for the unknown molecules hidden in nature) 要旨: 生物は生命活動自体に必須な一次代謝に加えて、二次代謝と呼ばれる経路を持ちます。各生物が独自に進化させてきた二次代謝経路では、多種多様な機能を持つ「スペシャルな」分子が生産されます(二次代謝産物)。フグ毒のような危険な自然毒の他、有用な抗生物質や抗マラリア薬などを含み、数多の薬剤を供給してきた実績を持ちます。二次代謝産物の発見数の減少がしばしば問題視されますが、自然界には手付かずの二次代謝産物が無限に存在すると考えられます。本発表では精密分析を介した自然界からの未知分子の探索と、生物が如何にして二次代謝産物を生産するか(生合成)の解明を目指した研究を紹介します。 ◆FRIS Hub Meetingについて
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研究会等のお知らせ2022.07.05
全領域合同研究交流会 特別企画「第7回 FRIS/DIARE Joint Workshop」 FRISとDIAREのメンバーは交流と研究テーマ創造を目的に活発な議論を行っています。このJoint Workshopでは、多くの研究者が一堂に会し、学内で現在行われている様々な学際研究を網羅的に知り、交流を広げることを目的としています。 日時:令和4年 8月 1日(月)10:20~16:10 場所:片平さくらホール 主催:学際科学フロンティア研究所(FRIS)、学際高等研究教育院(DIARE) 参加者:FRIS教員、DIARE教育院生 実施方法:対面+オンライン 対面について さくらホールにて、参加者を午前10:30-12:30, 午後14:00-16:00に分けて、ポスターセッション 感染症対策に十分留意します。1つのポスターに聴衆は4名までとします オンラインについて 各参加者が作成したポスターをウェブ上にアップし、そのURLのリストを参加者内で公開 Google document上で議論 補足: FRIS/DIARE Joint Workshopは毎年1回開催しています。これまでのworkshopについてはこちら 教育院生は基本的に全員参加してください。3年ぶりの対面開催です。オンラインの交流より深い情報交換や友人作りを楽しんでもらえればと思います。 学会発表や研究打ち合わせの出張、欠席できない授業などにより止むを得ず不参加になる場合は、オンライン発表を利用してください。 発表内容は、自分の研究分野の紹介+自分の研究内容あるいは研究計画です。 ポスターボードはA0縦サイズが貼れる大きさです。その大きさに収まれば小さいサイズの紙を数枚貼り付けても構いません。 プログラム: 10:20-10:30 開会のあいさつ。全体アナウンス 10:30-11:30 M2グループAとD1グループAがポスター発表。聴衆はM2, D1のグループB 11:30-12:30 M2グループBとD1グループBがポスター発表。聴衆はM2, D1のグループA 12:30-14:00 休憩 + 消毒作業 14:00-15:00 D2グループAとD3グループAがポスター発表。聴衆はD2, D3のグループB 15:00-16:00 D2グループBとD3グループBがポスター発表。聴衆はD2, D3のグループA 16:00-16:10 閉会のあいさつ 午前・午後通して、FRIS教員も参加します。 D2, D3の院生も希望者は午前に、D1, M2の院生も希望者は午後に、聴衆として参加できます。感染症対策の人数調整のため、希望に添えないことがあります。 参加登録の仕方は総合戦略研究教育企画室から連絡があります。 問い合わせ先 学際高等研究教育院 総合戦略研究教育企画室 @ ■全領域合同研究交流会について
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研究会等のお知らせ2022.07.01
2022年度 FRIS/TI-FRIS Life Science Seminar(全12回) / ハイブリッド開催 昨年度に引き続きFRIS/TI-FRIS 共催のもと、学際研の有志がオーガナイザー(座長)となり、生命・環境の研究に関するセミナーシリーズを企画しました。 学際研究を推進する上で「皆にぜひ紹介したい」「異分野連携の推進が望める」といった、各オーガナイザー肝煎りの講師陣です。 今年度は異分野の生物学的研究トピックに幅を広げています。興味のある方は、ぜひご聴講ください。 参加方法:各回の「参加登録」よりご登録ください。 ※Vol. 1、Vol. 2、Vol. 3以降の参加登録は、受付開始までお待ちください。受付開始はFRIS Webサイトにてお知らせいたします。 Vol. 1 開催日:6月3日(金) オーガナイザー(座長):楠山譲二 高橋暁子 先生(がん研究会) 『細胞老化研究で疾患のメカニズム解明に挑む』 Vol.1への 参加登録はこちらから Vol.1へのオンサイト参加を希望する場合は、上記参加登録と合わせてこちらにもご登録ください。 ※オンサイト参加可能人数の上限は40名です。 ※新型コロナウイルスの感染状況によっては、感染拡大防止の観点から、オンサイト参加対象の制限、上限の変更等が生じる場合もございますので、ご理解願います。 Vol. 2 開催日:6月24日(金) オーガナイザー(座長):市之瀬敏晴 小幡史明 先生(理化学研究所) 『ショウジョウバエ遺伝学で食の理(ことわり)を解く』 Vol.2への 参加登録はこちらから Vol.2へのオンサイト参加を希望する場合は、上記参加登録と合わせてこちらにもご登録ください。 ※オンサイト参加可能人数の上限は40名です。 ※新型コロナウイルスの感染状況によっては、感染拡大防止の観点から、オンサイト参加対象の制限、上限の変更等が生じる場合もございますので、ご理解願います。 Vol. 3 開催日:7月11日(月) オーガナイザー(座長):塩見こずえ 講師:早水桃子 先生(早稲田大学) 『進化の系統樹と系統ネットワークに関する組合せ論への招待』 Vol.3への 参加登録はこちらから Vol.3へのオンサイト参加を希望する場合は、上記参加登録と合わせてこちらにもご登録ください。 ※オンサイト参加可能人数の上限は40名です。 ※新型コロナウイルスの感染状況によっては、感染拡大防止の観点から、オンサイト参加対象の制限、上限の変更等が生じる場合もございますので、ご理解願います。 【今後の予定】 ※今後の参加登録は、受付開始までお待ちください。受付開始はFRIS Webサイトにてお知らせいたします。 Vol. 4 2022年9月9日(金) オーガナイザー:楠山譲二 前川知樹 先生(新潟大学) 『口腔組織修復・骨再生とセノリティック薬剤展開』 Vol. 5 2022年9月22日(木) オーガナイザー:奥村正樹 森英一朗 先生(奈良医科大学) 『生物学的相分離の駆動と制御』 Vol. 6 2022年10月5日(水) オーガナイザー:佐藤伸一 口丸高弘 先生(自治医科大学) 『細胞間相互作用の光標識技術を使った疾患メカニズムの解析』 Vol. 7 2022年10月18日(火) オーガナイザー:工藤雄大 瀬戸義哉 先生(明治大学) 『根寄生雑草の種子発芽を制御する微生物代謝物の探索』 Vol. 8 2022年11月11日(金) オーガナイザー:安井浩太郎 風間北斗 先生(理化学研究所) 脳は如何に匂いの価値を認識するのか?-情報処理と神経回路メカニズム- Vol. 9 2023年1月13日(金) オーガナイザー:岡本泰典 小嶋良輔 先生(東京大学) 『合成生物学的手法による細胞外小胞の包括的理解と発展的利用』 Vol. 10 2023年1月26日(木) オーガナイザー:常松友美 高橋阿貴 先生(筑波大学) 『攻撃行動の神経生物学:背側縫線核の役割』 Vol. 11 2023年2月9日(木) オーガナイザー:千葉杏子 仁田亮 先生(神戸大学) 『クライオ電子顕微鏡で見る医学・生命科学』 Vol. 12 2023年2月16日(木) オーガナイザー:丹羽伸介 古田健也(情報通信研究機構) 『モータータンパク質とそのシステムをいじり倒して理解する』 ※Vol.12は都合により中止となりました。 主催:東北大学 学際科学フロンティア研究所(FRIS)、学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS) お問い合わせ TI-FRIS事務局 @
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研究会等のお知らせ2022.07.01
ハイブリッド開催 2022年5月より、FRIS/TI-FRIS 共催のもと、材料・デバイス研究に関するセミナーシリーズを開催しています。 材料・デバイス分野を主な研究の場とするスター研究者を招待し、最新のトピックを中心に研究紹介をしていただきます。 セミナーを通じた学内外研究者間の交流活性化を重視し、可能な限りハイブリッドでの開催を企画してまいります。 興味のある方はぜひご聴講ください。 東北大学およびTI-FRIS参画大学の皆様のご参加をお待ちしております。 第2回 開催日時: 2022年7月19日(火)13:00-14:00 会場: ハイブリッド開催/ 学際科学フロンティア研究所セミナー室、ZOOM 講演者: 高橋康史 先生(名古屋大学 教授) 講演タイトル: 「ガラスナノピペットを利用した新奇プローブ顕微鏡の開発と応用」 オーガナイザー:阿部博弥(学際科学フロンティア研究所) 主催: 学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS) 東北大学 学際科学フロンティア研究所 参加対象者: 東北大学およびTI-FRIS参画大学(弘前大学、岩手大学、東北大学、秋田大学、山形大学、福島大学、宮城教育大学)の教職員、学生 最新情報や参加申込方法名地、詳細は下記専用サイトをごらんください。 イベント情報ーFRIS/TI-FRIS Materials Science Seminarー http://nano.chem.tohoku.ac.jp/archives/443 参加登録URL: https://forms.gle/ejKDAVCnrvX5rXzE7 ※Material Science Seminar 今後の開催予定 Vol.03 / 2022. 09 Vol.04 / 2022. 11 Vol.05 / 2023. 01 Vol.06 / 2023. 03 お問い合わせ先: 阿部博弥(学際科学フロンティア研究所) hiroya.abe.c4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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お知らせ2022.06.30
新領域創成研究部の楠山譲二助教が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和4年度医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業(Interstellar Initiative Beyond)に採択されました。 国際連携研究プログラムへの応募を支援するInterstellar Initiative事業は、日本の若手研究者が世界各国の若手研究者とネットワークを構築し、国際的かつ学際的な視点から独創的・革新的な研究シーズを創出することを支援しており、試行開催された平成29年度から令和3年度までに日本を含む世界26カ国、230名の優秀な若手研究者が参加してきました。 今年度、これまでInterstellar Initiative事業に参加経験のある日本の研究代表者を対象に、国際的・学際的なチームで議論した経験を活かして、さらに完成度の高い研究構想を練り上げられるよう、Interstellar Initiative Beyondが公募され、楠山助教を代表とする研究チームの研究開発課題「Beneficial effects of exercise in the middle ages on overall health outcomes in aging」が採択されました。 楠山助教は今後、チームで研究構想を提案し、メンターの支援のもと、ワークショップや予備実験を通じて、その構想を国際グラント獲得に資するレベルまでに精緻化していきます。 令和4年度 医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業(Interstellar Initiative Beyond): https://www.amed.go.jp/koubo/20/01/2001B_00035.html 採択課題 https://www.amed.go.jp/koubo/20/01/2001C_00035.html
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会議発表・論文・出版2022.06.29
東北大学学際科学フロンティア研究所の丹羽伸介准教授は、神戸大学大学院医学研究科の仁田亮教授、今崎剛助教、理化学研究所生命機能科学研究センターの竹市雅俊客員主管研究員(理研名誉研究員)、同放射光科学研究センター生物系ビームライン基盤グループ重松秀樹研究員(研究当時、現高輝度光科学研究センター構造生物学推進室研究員)らとの共同研究により、細胞の構築・極性形成に重要な役割を果たす微小管ネットワークが、CAMSAP2タンパク質の相分離する性質を利用して形成されることを、クライオ電子顕微鏡や全反射照明蛍光顕微鏡を用いて明らかにしました。本研究成果は、心筋細胞、神経細胞、上皮細胞、線維芽細胞などの細胞を形づくる際に用いられる、細胞の根源的なしくみを説明するものです。この研究成果は、2022年6月28日に、国際学術雑誌「eLife」にオンライン掲載されました。 CAMSAP2による微小管重合制御。上: 試験管内再構成系におけるCAMSAP2による重合制御を電子顕微鏡、蛍光顕微鏡、全反射蛍光顕微鏡で観察した様子。下: CAMSAP2による微小管重合・ネットワーク形成のモデル。チューブリンが縦に連なり、カールしてリング状になったチューブリンリング、チューブリン繊維がいくつか隣同士並んで形成されたシートが観察される。緑:CAMSAP2、マジェンタ:チューブリン。 論文情報: Tsuyoshi Imasaki, Satoshi Kikkawa, Shinsuke Niwa*, Yumiko Saijo-Hamano, Hideki Shigematsu, Kazuhiro Aoyama, Kaoru Mitsuoka, Takahiro Shimizu, Mari Aoki, Ayako Sakamoto, Yuri Tomabechi, Naoki Sakai, Mikako Shirouzu, Shinya Taguchi, Yosuke Yamagishi, Tomiyoshi Setsu, Yoshiaki Sakihama, Eriko Nitta, Masatoshi Takeichi, Ryo Nitta* (*corresponding author) eLife "CAMSAP2 organizes a γ-tubulin-independent microtubule nucleation centre" DOI: 10.7554/eLife.77365 https://doi.org/10.7554/eLife.77365 プレスリリース: 東北大学 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/06/press20220628-03-tubulin.html 神戸大学 https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2022_06_28_02.html 理化学研究所 https://www.riken.jp/press/2022/20220628_3/index.html 日本医療研究開発機構 https://www.amed.go.jp/news/release_20220628-03.html 科学技術振興機構 https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220628/index.html