トピックス
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研究会等のお知らせ2024.02.07
オンライン開催 / Online Event ZoomによるWeb開催となります。 教育院生及び学際研関係者以外の方で参加をご希望の方は2月13日(火)13時までに下記のフォームから申し込みをお願いいたします。 のちほど参加方法等についてご連絡いたします。 参加申込フォーム: https://forms.gle/QWsTSp9TCJHQeaH49 参加には東北大メールが必要となりますので予めご確認下さい。 口頭発表者は以下の通りです。 耐性機構から紐解く節足動物由来抗菌ペプチドの作用メカニズム The mode of action of novel antimicrobial peptide from arthropod based on the mechanism of resistance. 下田 蒼(農学研究科 / 生命・環境領域) 重要なのは背骨の形?解剖×機械から「動物界最速の秘密」を探る Is what matters the shape of the spine? Exploring “the mystery of the fastest animal” through anatomy and mechanical engineering 服部 祥英(工学研究科 / 情報・システム領域) 極低温ループヒートパイプの凝縮現象解明に向けた極低温二相流の気液界面・温度分布同時計測手法の提案 Simultaneous Measurement of Vapor-Liquid Interface and Temperature Distribution of Cryogenic Two-Phase Flow for the Understanding of Condensation Phenomena in Cryogenic Loop Heat Pipes 横内 岳史(工学研究科 / 先端基礎科学領域) 問い合わせ先 学際高等研究教育院 総合戦略研究教育企画室 @ ■全領域合同研究交流会について
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会議発表・論文・出版2024.02.02
宇宙にある銀河の中心には太陽の100万倍から100億倍程度の質量を持った超巨大ブラックホールがあることが知られています。これらの超巨大ブラックホールへと多量の物質が落ち込むことで膨大な重力エネルギーを解放し、様々な波長で明るく輝く天体を活動銀河核と呼びます。近年、近傍の活動銀河NGC 1068から高エネルギーのニュートリノが放射されているという証拠が発見され、超巨大ブラックホール周囲で起きる高エネルギー現象が注目を集めています。 ペンシルベニア州立大学の村瀬准教授、NASA ゴダード宇宙飛行センターのKarwin研究員、東北大学学際科学フロンティア研究所の木村助教らの研究チームは、X線で明るく輝く近傍の活動銀河、NGC 4151、NGC 4945, Circinus銀河の3天体に対して高エネルギー放射を調べました。そのうちNGC 4151からは高エネルギーニュートリノ信号の兆候も報告されています。研究チームはフェルミ宇宙望遠鏡のデータを再解析し、NGC 4151からのガンマ線強度に厳しい上限値を与えました。また、NGC 4945からはこれまでに報告されていたガンマ線に加え、より低エネルギーでガンマ線信号を検出しました。Circinus銀河については過去のガンマ線検出の報告と整合的な結果となりました。 研究チームでは、超巨大ブラックホール周囲のコロナと呼ばれる高温プラズマ中で宇宙線陽子が磁場と相互作用して高エネルギーまで加速され、周囲の物質や光子と相互作用してニュートリノとガンマ線が同時に放射される理論モデルを提唱しています。この理論モデルをこれらの3天体に適用した結果、今回の解析で得られたNGC 4151のガンマ線強度の上限値は宇宙ニュートリノ信号の兆候と整合的に説明できることがわかりました。 今回の解析で発見されたNGC 4945からの低エネルギーのガンマ線信号もコロナからの高エネルギー放射によって理論的に説明でき、仮説が正しければ近い将来のニュートリノ観測で検出できます。コロナモデルはCircinums銀河からのガンマ線とニュートリノのデータとも整合的です。いずれの天体についても、将来のガンマ線観測衛星による比較的低エネルギーでのガンマ線観測が重要であり、マルチメッセンジャー観測の更なる進展を強く後押しする結果と言えます。 これらの研究成果は米国天文学会発行の天体物理学専門誌『The Astrophysical Journal Letters』誌に2024年1月31日付で掲載されました。 図:ブラックホール近傍のイメージ図。ブラックホール周囲の高温プラズマからX線、ガンマ線、ニュートリノなどの高エネルギー粒子が放射される。(クレジット:ESA) 論文情報: 著者:Kohta Murase, Christopher M. Karwin, Shigeo S. Kimura, Marco Ajello, and Sara Buson 雑誌:The Astrophysical Journal Letters, 2024, 961, L34 表題:“Sub-GeV Gamma Rays from Nearby Seyfert Galaxies and Implications for Coronal Neutrino Emission” DOI: 10.3847/2041-8213/ad19c5
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受賞2024.02.01
東北大学に所属する助教8名に「東北大学プロミネントリサーチフェロー」の称号が新たに付与され、学際科学フロンティア研究所(学際研)からは藤木結香助教が選ばれました。 「東北大学プロミネントリサーチフェロー」制度は、東北大学の助教のうち、新領域を切り開く独創的な研究に挑戦する者に称号を付与するもので、令和3年度に新たに創設されました。今回が第6回の称号付与で、学際研では通算で60名の若手教員にプロミネントリサーチフェローの称号が付与されています。 プロミネントリサーチフェローの称号を付与された若手教員の活躍が、本学における教育研究の一層の推進及び社会への貢献に資することが期待されます。 学際研所属の新規称号付与者: 藤木結香(情報・システム) 東北大学: 独創的な研究に挑戦する若手研究者「東北大学プロミネントリサーチフェロー(令和5年度第2回)」を発表しました https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2024/02/news20240201-pr.html 東北大学若手躍進イニシアティブ https://www.bureau.tohoku.ac.jp/yri/index.html
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会議発表・論文・出版2024.01.29
東京農工大学大学院工学研究院の村岡貴博教授、東北大学学際科学フロンティア研究所の奥村正樹准教授、徳島大学先端酵素学研究所の齋尾智英教授の研究グループは、タンパク質フォールディングを促進する酵素のメカニズム解明、および類似機能を持つ低分子化合物の開発に関して、「遅延制御」という独自の機構を提唱し、世界をリードする重要な成果をこれまで多数発表してきました。本論文で、これまでに得られた最新かつ重要な知見をまとめ、今後の展望と合わせて報告しました。 アミノ酸が連結して作られるポリペプチドは、天然構造と呼ばれる特定の三次元構造を形成して、タンパク質としての機能を獲得します。この天然構造を形成する過程をポリペプチド鎖の折りたたみ、フォールディング、と呼びます。非天然型の立体構造を形成した構造異常タンパク質は、神経変性疾患や糖尿病などのミスフォールディング病を発症する原因と考えられています。またタンパク質は、インスリンや抗体医薬などバイオ医薬品としても広く利用され、その社会的重要性は近年急速に高まっています。フォールディングを効率よく進める生体システムの理解と、フォールディングを促進する薬剤開発は、ミスフォールディング病の予防や治療、そしてタンパク質製剤の生産効率の向上に直結する重要な課題です。その中で我々は、独自に見出した「遅延制御機構」に基づき、以下に示す重要なメカニズムの解明と技術開発を世界に先駆けて達成してきました。 分子シャペロンが、フォールディングを遅延させるホールダーゼ(Holdase)および促進するフォールダーゼ(Foldase)として対照的な二面性を示す分子メカニズムの解明 ミスフォールディング病との関連が指摘されるジスルフィド結合触媒酵素群が、酸化還元反応の遅延制御によってフォールディング速度を精巧に調節する分子メカニズムの解明 遅延制御機構に基づく、生体内システムと比肩する高い活性を持つ初めての人工フォールディング促進分子の開発 図:タンパク質フォールディングの概要とフォールディング促進に関わる分子シャペロン、酸化還元酵素、シャペロン模倣人工分子、酸化還元酵素模倣人工分子。 論文情報: タイトル:Enzymatic and synthetic regulation of polypeptide folding 著者:Takahiro Muraoka*, Masaki Okumura* and Tomohide Saio* *責任著者: 東京農工大学大学院工学研究院 教授 村岡貴博 東北大学学際科学フロンティア研究所 准教授 奥村正樹 徳島大学先端酵素学研究所 教授 齋尾智英 掲載誌:Chemical Science DOI: 10.1039/D3SC05781J URL: https://doi.org/10.1039/D3SC05781J プレスリリース: 東北大学 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2024/01/press20240129-01-protein.html 東京農工大学 https://www.tuat.ac.jp/outline/disclosure/pressrelease/2023/20240129_02.html 徳島大学 https://www.tokushima-u.ac.jp/docs/53723.html
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会議発表・論文・出版2024.01.26
マイクロ流体技術はマイクロリットルスケールの流体を操作し応用する手法で、生命科学や化学、材料工学など多岐に渡る分野で利用されています。その中でも慣性力を利用して細胞や粒子のサイズによって分離したり混合したりするらせん型のマイクロ流路は、低コストで運用が容易なため、研究や実用現場で広く応用されています。 従来のマイクロ流体デバイスの多くは平面基板上に半導体製造技術のリソグラフィ(注3)によって作製されています。しかし流路形状を細かく制御できる反面、材料の選択制限や製造工程の複雑さ、平面構造に限定されるといった課題が存在します。 東北大学学際科学フロンティア研究所の郭媛元准教授と工学部学部生の加藤駿典氏(学際研ジュニアリサーチャー)、沖縄科学技術大学院大学(OIST)のエイミー・シェン教授とダニエル・カールソン博士(当時研究員)で構成された学際的な研究チームは、これらの課題を解決するために、光通信ファイバーの製造技術である熱延伸法を改良し、卓上型回転熱延伸法(mini-rTDP)を開発しました。そしてこの新たな手法を利用して、三次元らせん型微小流路を持つポリマーファイバーを開発することに成功しました。 本研究成果は、学術誌Microsystems and Nanoengineeringに2024年1月22日付で掲載されました。本研究は主に沖縄科学技術大学院大学(OIST)SHINKAプログラム、東北大学のSHINKAのマッチングファンドの支援を受けて実施されました。 図:熱延伸法によるファイバー内三次元らせん流路を構成した微小遠心機の実現。 論文情報: タイトル:Twisted Fiber Microfluidics: A Cutting-Edge Approach to 3D Spiral Devices 著者:Shunsuke Kato, Daniel W. Carlson, Amy Q. Shen*, Y. Guo* *責任著者: 東北大学学際科学フロンティア研究所 准教授 郭媛元 沖縄科学技術大学院大学 教授 Amy Q. Shen(エイミー・Q・シェン) 掲載誌:Microsystems and Nanoengineering DOI: 10.1038/s41378-023-00642-9 URL: https://doi.org/10.1038/s41378-023-00642-9 プレスリリース: 東北大学 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2024/01/press20240126-01-fiber.html 東北大学大学院工学研究科 https://www.eng.tohoku.ac.jp/news/detail-,-id,2763.html
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受賞2024.01.25
新領域創成研究部の奥村正樹准教授と共同研究を行なう関西学院大M2の倉持円来さん(FRISジュニア連携研究員)が、第46回日本分子生物学会年会において共同研究テーマについて発表し、「サイエンスピッチ優秀発表賞」を受賞しました。 受賞対象の研究テーマ: 「PDI familyによる⼩胞体内プロインスリンのフォールディング触媒機構の理解」 MBSJ2023サイエンスピッチ優秀発表賞 https://www2.aeplan.co.jp/mbsj2023/pdf/sp_excellence_award_jp.pdf
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受賞2024.01.22
増本研究室(先端学際基幹研究部・物質材料・エネルギー領域)の内山 智元さん(東北大学大学院工学研究科博士課程1年)が、「令和5年度 日本セラミックス協会 東北北海道支部 研究発表会(2023年11月2-3日:長岡)において、「優秀発表賞」を受賞しました。 本賞は、若手研究発表の中で、優れた内容の発表に対して与えられる学会賞です。 この成果は、東北大学および電磁材料研究所の共同研究により得られたものです。 写真:左から増本弘教授、内山智元さん、斎藤秀俊支部長 タイトル: スパッタ法により成膜したコバルト―フッ化マグネシウムナノコンポジット薄膜の磁気―誘電特性 受賞者名: 内山 智元(増本研究室・博士1年) 曹 洋(新領域創成研究部・物質材料・エネルギー領域、現湖北大学) 青木 英恵(東北大学・工学研究科電気系 講師) 池田 賢司(電磁材料研究所) 小林 伸聖(学際研客員教授・電磁材料研究所) 大沼 繁弘(学際研学術研究員・電磁材料研究所) 増本 博(先端学際基幹研究部・物質材料・エネルギー領域) 受賞日: 2023年11月3日
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会議発表・論文・出版2024.01.18
東北大学学際科学フロンティア研究所(兼務 大学院理学研究科)の當真賢二教授が参加する国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は、史上初の撮影に成功した楕円銀河M87の巨大ブラックホールについて新たな観測画像を公開しました。今回公開された画像は、初撮影が行われた2017年4月の観測から約1年後の2018年4月に観測されたものです。2018年の観測では新たにグリーンランド望遠鏡がネットワークに参加し、またデータ記録速度が向上したことでM87ブラックホールの新たな姿が明らかとなりました。1年後の画像では、2017年に観測されたものと同じ大きさのリング構造が確認されました。この明るいリングに縁取られた中央の暗い部分が、まさに一般相対性理論から予言されている「ブラックホールシャドウ」の存在を裏付けています。一方で、リングの最も明るい場所は角度にして約30度異なっており、ブラックホール周辺の物質が乱流状に振る舞っていることを示唆しています。 図:イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)はM87巨大ブラックホールの新たな観測画像を公開しました。2017年の初撮影(左)から約1年後に撮影された2018年の画像(右)でも同じ大きさのシャドウが再現されていることがわかりました。2018年の観測には、新たにグリーンランド望遠鏡が参加しています。明るいリングに囲まれた中央の暗闇がブラックホールのシャドウ(影)に相当し、リングの最も明るい場所は2017年の画像では6時の方向、2018年の画像では約30度異なる5時の方向にあります。 クレジット:EHT Collaboration 本研究成果は、2024年1月18日付で欧州の天文学専門誌「Astronomy and Astrophysics」に掲載されました。 詳細はEHT-Japanプレスリリースをご覧ください。 論文情報: タイトル:The persistent shadow of the supermassive black hole of M87. I. Observations, calibration, imaging, and analysis 著者:Event Horizon Telescope Collaboration et al. 掲載誌:Astronomy and Astrophysics DOI:10.1051/0004-6361/202347932 URL: https://doi.org/10.1051/0004-6361/202347932 プレスリリース: EHT https://eventhorizontelescope.org/M87-one-year-later-proof-of-a-persistent-black-hole-shadow EHT-Japan https://www.miz.nao.ac.jp/eht-j/c/pr/pr20240118
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研究会等のお知らせ2024.01.18
ハイブリッド開催 / Hybrid Event 口頭発表:オンライン&学際科学フロンティア研究所セミナー室 ポスター発表:学際科学フロンティア研究所セミナー室 教育院生及び学際研関係者以外の方で参加をご希望の方は1月23日(火)13時までに下記のフォームから申し込みをお願いいたします。 追って参加方法等についてご連絡いたします。ただし口頭発表のオンライン参加のみとなりますのでご了承ください。 参加申込フォーム:https://forms.gle/qzjzfhriwTWGkoeW8 参加には東北大メールが必要となりますので予めご確認下さい。 口頭発表者は以下の通りです。 ウイルス感染応答におけるRNAのダイナミックな変化とその役割 Emerging roles of cellular RNA metabolism in viral infection 竹中慶香 (薬学研究科 / 生命・環境領域) 次世代へと受け継がれる逆境の影響 Transmit Radiant Individuality to Offspring (TRIO) study to investigate the intergenerational effect of adversity 山口 涼 (医学系研究科 / 人間・社会領域) 気相H+(methanol)n-benzeneクラスターの赤外分光:効率的なプロトン溶媒和に必要なメタノール分子数の決定 IR spectroscopy of H+(methanol)n-benzene in the gas phase: determination of the number of methanol molecules to solvate a proton effectively 加藤 健 (理学研究科 / 先端基礎科学領域) 問い合わせ先 学際高等研究教育院 総合戦略研究教育企画室 @ ■全領域合同研究交流会について
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お知らせ2024.01.17
学際科学フロンティア研究所は、森松T&S株式会社からの寄附を受け、ナノ材料プロセスデータ科学寄附研究部門を設置しました。先端学際基幹研究部の笘居高明教授をリーダーとする本部門では、データ科学と材料プロセス工学を融合した新学術分野「材料プロセスデータ科学」を開拓するための学際的基礎研究を行います。具体的には、ナノ粒子合成プロセスを対象とし、粒子合成におけるプロセスデータと材料構造データを紐づけた材料プロセスデータベースを作るとともに、データベースから特定の材料構造、さらには材料機能を決定づけるプロセス特徴因子をデータ科学的に抽出し、新たな高機能ナノ材料の合成プロセス設計を迅速に導く“材料プロセスインフォマティクス”を構築し、新産業創出に貢献します。 ナノ材料プロセスデータ科学寄附研究部門 https://tomai.fris.tohoku.ac.jp/寄付講座ナノ材料プロセスデータ科学