東北大学
学際科学フロンティア研究所

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直径数百ミクロン以下の多機能性カテーテルを開発 ─ アクチュエータ、センサ、流路、光路、カメラの一体化が可能に ─

2023年1月23日『ACS Applied Engineering Materials』誌に論文掲載および2023年1月26日プレスリリース

2023.01.26

現在の医療技術においては、様々な機能を有するカテーテルと呼ばれる医療器具が治療や生体検査で広く活用されています。これらは基本的に細長い形状をしており、生体内の血管や気管支のような複雑に分岐した微細な管状組織に対して使用されています。しかし、医療用器具として有用な複数の機能(屈曲変形、電気化学センサなど)をまとめて付与したい場合には、個別に単一性能のカテーテル素子を多段階に積層させる従来の製法では線径が太くなり大型化してしまう傾向があります。このため生体内の目標部位にサイズとして適合できない場合には、必要最低限の機能しか選択する事ができません。
 
東北大学学際科学フロンティア研究所の郭媛元助教と佐藤雄一研究員は、「金太郎飴」の作製方法と類似している熱延伸プロセスを活用し、繊細かつ柔軟な繊維 (ファイバ)として線径を数百ミクロン程度にまで抑制しながら、屈曲変形および神経伝達物質をモニタリングできる多機能性カテーテルの開発に成功しました。またこれらの有効性を、分岐した血管と血流をモデルとした実験系で確認しました。
 
本研究成果は、工学分野における米化学会の専門誌である『ACS Applied Engineering Materials』に2023年1月23日付で掲載されました。


図:熱延伸法により成型物から作製されたアクチュエータ及びセンシング機能を集積したファイバ。

論文情報:
Yuichi Sato, Yuanyuan Guo* (*corresponding author)
“Shape-memory-alloys enabled actuatable fiber sensors via the preform-to-fiber fabrication”
ACS Applied Engineering Materials
DOI: 10.1021/acsaenm.2c00226
https://doi.org/10.1021/acsaenm.2c00226
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