東北大学
学際科学フロンティア研究所

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『Journal of Physics: Condensed Matter』に論文掲載

『Journal of Physics: Condensed Matter』に論文掲載

2023.02.27

先端学際基幹研究部の才田淳治教授、中国 華中科学技術大学 郭 威准教授、金沢大学 新山友暁准教授らの研究グループは、代表的な金属ガラスであるZr55Al10Ni5Cu30の熱的構造若返り(未緩和状態への回復)現象を調べ、緩和によって失われた塑性変形性(延性)の回復を明らかにし、科学誌 Journal of Physics: Condensed Matterに発表しました。
 
金属ガラスは低温での熱処理や加工により、ランダム構造にわずかな変化(原子の部分的再配列)を起こすことが知られています。この現象は緩和とよばれ、脆化の原因となります。才田教授らの研究グループでは、緩和した金属ガラスを熱的構造若返り処理によって部分的に未緩和状態に戻せることを明らかにしてきました。本研究は、このような熱的構造若返りによる塑性変形性(延性)回復のメカニズム等を実験および分子動力学シミュレーションを用いて考察したもので、若返り機構解明と特性改善に重要な知見を提案するものです。
本成果は、文部科学省科学研究費補助金 基盤研究A(18H03829)の支援を受けて行われた研究です。また、本研究は中国 華中科学技術大学との共同研究です。

なお、本研究の基礎となる成果は、東北大学学際科学フロンティア研究所 学際研究促進プログラム「ランダム原子配列構造制御の基礎科学と新材料・新機能創成への融合展開」(平成26~28年度)の支援を受けて行った研究によって得られました。
 
掲載論文:
Wei Guo, Tomoaki Niiyama, Rui Yamada, Masato Wakeda, Junji Saida :  Journal of Physics: Condensed Matter : 35 (2023) 154004.
Synthesis and mechanical properties of highly structure-controlled Zr-based metallic glasses by thermal rejuvenation technique
https://doi.org/10.1088/1361-648X/acb8a0
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