東北大学
学際科学フロンティア研究所

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無機ナノファイバーに金属原子を挿入する技術を開発〜次世代のエレクトロニクス応用に期待〜

2023年2月24日『ACS Nano』誌に論文掲載および2023年3月3日プレスリリース

2023.03.03

東北大学学際科学フロンティア研究所のNguyen Tuan Hung助教が参加する、東京都立大学、産業技術総合研究所、東北大学、名古屋大学、筑波大学、大阪大学などの研究チームは、直径数〜数十ナノメートル程度の遷移金属モノカルコゲナ(TMC)のナノファイバーの内部に金属原子を効率的に挿入する技術を開発しました。原子分解能電子顕微鏡により、インジウム(In)原子が挿入された結晶構造を直接観察しました。
 
このような金属原子の挿入技術の確立は、金属原子とTMCナノファイバーの多彩な組み合わせによる新材料・新機能の実現や超伝導特性の発現につながることが期待されます。今後、新たな三元系TMCの実現や合成技術の高度化により、柔軟な構造を有する超伝導ファイバーをはじめ、微細な配線・透明電極・導電性複合材料などの応用開発も期待されます。
 
本研究成果は、2023年2月24日付でアメリカ化学会が発行する英文誌『ACS Nano』にて発表されました。


図:(a)三元系TMCナノファイバーの断面を撮影した電子顕微鏡写真と構造モデル。(b)シリコン基板上に合成した三元系TMCナノファイバーの電子顕微鏡写真。

論文情報:
Ryusuke Natsui, Hiroshi Shimizu, Yusuke Nakanishi*, Zheng Liu, Akito Shimamura, Nguyen Tuan Hung, Yung-Chang Lin, Takahiko Endo, Jiang Pu, Iori Kikuchi, Taishi Takenobu, Susumu Okada, Kazu Suenaga, Riichiro Saito*, and Yasumitsu Miyata* (*corresponding author)
“Vapor-Phase Indium Intercalation in van der Waals Nanofibers of Atomically Thin W6Te6 Wires”
ACS Nano
DOI: 10.1021/acsnano.2c10997
https://doi.org/10.1021/acsnano.2c10997

プレスリリース:
東北大学
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