東北大学
学際科学フロンティア研究所

トピックス

泉 正範助教(新領域創成研究部)の論文発表のお知らせ

2015.03.06

泉 正範 助教(新領域創成研究部)

『Plant Physiology』に論文掲載


新領域創成研究部の泉正範助教は、本学農学研究科・石田宏幸准教授、及び本学生命科学研究科、東京理科大学の研究グループらと共同で、主要作物であるイネにおいて生きた植物体でのオートファジーの可視化に初めて成功しました。オートファジーとは、動物から植物、酵母といった真核生物に広く保存される細胞内分解系で、オートファゴソームと呼ばれる小胞により隔離した細胞の一部を分解場所である液胞へ輸送、分解し、派生する栄養成分を再利用するための機構です。泉助教は、緑色蛍光タンパク質(GFP)等を用いた細胞生物学的手法により、生きたイネの葉や根でのオートファジーの可視化に成功すると共に、植物特有の細胞内小器官である葉緑体が、オートファジーによって部分分解されることを直接証明しました。植物は、光合成を担う葉緑体に多量の栄養素を分配しており、古くなった葉の葉緑体成分を一度分解し、新しい葉や子実へ転流、再利用することで自身の成長を支えています。このようなリサイクル機構はイネの穀物生産とも密接に関わることが知られていましたが、実際に葉緑体を分解する機構の実体は長い間明らかでありませんでした。今回の成果によりオートファジーがイネ葉緑体の分解に関わることが証明され、今後イネの成長や栄養素リサイクルにおけるその重要性を明らかにしていく上で、重要な成果であると言えます。

この成果は、米国植物生理学会誌『Plant Physiology』への掲載が決定し、2015年2月25日より同誌オンライン版に公開されています。

掲載論文(Plant Physiology誌ウェブサイト):

関連ページ(東北大学サイト):

所属研究室

農学研究科

 
PAGE TOP