東北大学
学際科学フロンティア研究所

トピックス

コロナ禍において対面交流の制限が笑う機会の減少と関連 一方、非対面交流の増加は笑いの減少を緩和する可能性

2023年9月21日『Preventive Medicine Reports』誌に論文掲載

2023.10.19

日常生活における笑いは全身の健康にも影響することが報告されています。一方でCOVID-19の流行下では、対面交流の機会が制限され、人々の笑う機会が減少した可能性があります。
 
東北大学大学院歯学研究科の竹内研時准教授、学際科学フロンティア研究所の木内桜助教らを中心とする研究グループは、COVID-19流行下における友人との対面交流の制限が笑う機会の減少と関連しているかどうか、また、オンライン交流の増加が笑う機会の減少の緩和要因となりえるかどうかを検討しました。
 
2020年8月~9月にかけて実施された「日本におけるCOVID-19問題による社会・健康格差評価研究 (JACSIS) 」の15~79歳の参加者を対象とした横断調査により、対面交流が減少した人は約1.6倍笑う機会が減少していたことが示されました。一方、同時期に非対面(オンライン)交流が増加した場合は笑いの減少リスクが緩和されていました。リスク緩和割合は、電話での交流では36.1%、ビデオでの交流では28.6%で、統計的に有意な値を示しました。
 
本研究結果から、COVID-19流行下では対面交流の制限が笑う機会の減少と関連していましたが、電話やビデオ等のオンライン交流の増加がこの関連を緩和していたことが明らかになりました。本研究成果は2023年9月21日に、国際誌Preventive Medicine Reportsにて公開されました。
 


図:オンライン交流の有無による対面交流の減少と笑いの減少のリスク
 

論文情報:
タイトル:Does online communication mitigate the association between a decrease in face-to-face communication and laughter during the COVID-19 pandemic? A cross-sectional study from JACSIS study.
著者:Kiuchi, S., Takeuchi, K*., Kusama, T., Cooray, U., Tamada, Y., Osaka, K., Tabuchi, T
*責任著者:東北大学大学院歯学研究科 准教授 竹内研時
掲載誌:Preventive Medicine Reports
DOI: 10.1016/j.pmedr.2023.102432
URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211335523003236? via%3Dihub
 
PAGE TOP