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生体内で複数のイオン濃度を同時に計測できる新技術を開発 ~柔軟性と高感度を兼ね備えた神経イオンプローブで実現~
2024年12月15日『Talanta』誌に論文掲載および12月20日プレスリリース
2024.12.24
人や動物の体内ではNa+、K+、Cl-などの複数のイオンが共存しており、これらの濃度は精神疾患や神経疾患の理解・治療において重要です。従来の技術では複数のイオン濃度を同時に測定できない、プローブが固く脳内や生体内に挿入しにくいといった課題がありました。
東北大学学際科学フロンティア研究所の郭媛元准教授、同大大学院医工学研究科の吉信達夫教授、呉京宣大学院生らの研究チームは、熱延伸技術を活用し、ポリマー製のフレキシブルな神経イオンプローブを開発し、人工脳脊髄液(aCSF)環境下でその高い感度、選択性、安定性を確認しました。このプローブはNa+、K+、Cl-を同時にモニタリング可能で、従来の神経デバイス技術が抱える微細化や多機能化の課題を解決できます。これにより、脳や神経疾患におけるイオン動態の解明に寄与することが期待されます。生体適合性の高い柔軟なポリマー製であり、電気生理学的信号の記録も可能であることから、基礎研究や医療診断技術の幅広い応用が見込まれています。
本成果は2024年12月15日に分析化学分野の専門誌Talantaに掲載されました。

図1. 熱延伸技術で実現した柔軟性と高感度を備えた神経イオンプローブ
論文情報:
タイトル:Advancing multiplexed ion monitoring techniques: the development of integrated thermally drawn polymer fiber-based ion probes
著者:呉京宣、雜﨑智沖、吉信達夫、郭媛元
*責任著者:東北大学学際科学フロンティア研究所 新領域創成研究部
東北大学大学院医工学研究科 バイオファイバ医工学分野
准教授 郭媛元