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野田 博文 助教(新領域創成研究部)
2016.09.09
野田 博文 助教(新領域創成研究部)
『The Astrophysical Journal』に論文掲載
掲載日/2016年9月6日
新領域創成研究部の野田博文助教は、X線天文衛星「すざく」と国内の複数の地上望遠鏡を組み合わせ、NGC 3516銀河の中心に存在する超巨大ブラックホール(BH)周辺からのX線と可視光を、同時に1年にわたってモニタしました。その結果、BHに吸い込まれるガスの量が著しく少ない時間帯を捉え、そのような時間帯には、X線と可視光の強度が足並みを揃えて時間変動することを突き止めました。さらに、X線強度が可視光よりも2日ほど先行して時間変化することが分かり、BHの近くで生じたX線放射が、2光日(約10の10乗キロメートル)離れたガスを照射して可視光放射の時間変化を作り出すことが明らかになりました。
BHは見かけのサイズが小さすぎて現在の技術では空間分解できませんが、異なる波長の光のタイムラグを利用して、BH周囲物質の空間的な分布を調べることに成功した画期的な成果です。