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簡単!カーボンナノチューブを水に分散 二酸化塩素で表面を穏やかに酸化し、高い導電性を維持
2026年2月10日に英国科学誌『Nanoscale』(オンライン)に掲載および2月26日にプレスリリース
2026.02.26
【研究成果のポイント】
- 強酸や界面活性剤を使わず、常温条件下でカーボンナノチューブ(CNT)を水中に安定分散させることに成功
- CNTは、水に溶けにくく凝集しやすいため、実用化には界面活性剤や強酸による処理が必要で、導電性の低下や材料劣化が問題となっていたが、CNTの構造を保ったまま表面のみを酸化し,導電性の低下を最小限に抑制することや界面活性剤フリーで、1週間以上沈殿しない安定な水分散液を実現
- 薬、エネルギー分野など、幅広い応用や環境調和性と実用性を両立させる次世代ナノ材料プロセスの実現に期待
【概要】
大阪大学先導的学際研究機構の大久保敬教授、板橋勇輝特任講師(常勤)、東北大学学際科学フロンティア研究所•大学院理学研究科の上野裕特任准教授、伊藤隆准教授、福村裕史名誉教授の研究グループは、二酸化塩素を用いた新しい表面酸化法を開発し、カーボンナノチューブ(CNT)を水中に安定分散させることに成功しました(図1)。
大阪大学先導的学際研究機構の大久保敬教授、板橋勇輝特任講師(常勤)、東北大学学際科学フロンティア研究所•大学院理学研究科の上野裕特任准教授、伊藤隆准教授、福村裕史名誉教授の研究グループは、二酸化塩素を用いた新しい表面酸化法を開発し、カーボンナノチューブ(CNT)を水中に安定分散させることに成功しました(図1)。

図1 混ぜるだけでカーボンナノチューブが水に分散する
CNTは、極めて高い導電性と機械強度を併せ持つ一次元ナノ材料として、電子デバイスや医療・バイオ分野に至るまで、幅広い応用が期待されています。しかし、水に溶けにくく凝集しやすいため、実用化には界面活性剤や強酸による処理が必要で、これらの方法では導電性の低下や材料劣化が問題となっていました。
本研究では、常温条件下で二酸化塩素を作用させることで、CNT表面にヒドロキシ基やカルボニル基、カルボキシ基などの極性官能基を選択的に導入し、界面活性剤を用いずとも1週間以上沈殿しない安定な水分散を実現しました。さらに、高い導電性を保持しており、界面活性剤処理と同等の電気特性を示します。
本研究成果は、水系プロセスによるCNT材料開発を可能にする環境調和型技術として、科学技術だけでなく産業界など幅広い分野への応用が期待されます。
本研究成果は、英国化学誌「Nanoscale」にオンライン速報版で公開されました。
タイトル:“Aqueous dispersion of carbon nanotubes by chlorine dioxide oxidation”
著者名:Yuki Itabashi(板橋 勇輝)、Ai Sunami(角南 愛)、Kaoru Maeno(前野 薫)、Hiroshi Ueno(上野 裕)、Takashi Itoh(伊藤 隆)、 Hiroshi Fukumura(福村 裕史)、Kei Ohkubo(大久保 敬)
プレスリリース:
東北大学