東北大学
学際科学フロンティア研究所

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常松 友美 助教(新領域創成研究部)

2017.10.18

常松 友美 助教(新領域創成研究部)

『Frontiers in Neural Circuits』に論文掲載

掲載日/2017年9月14日


脳の中の前脳基底部という場所は、注意、記憶・学習、覚醒に重要な役割を持っていることが知られています。しかしながら、前脳基底部の神経細胞たちが集団としてどのように活動しているか、未だ分かっていません。新領域創成研究部の常松助教は、英国ストラスクライド大学坂田秀三上級講師、Josue G. Yague博士研究員とともに、マウスの前脳基底部と大脳皮質聴覚野から、同時に、かつ一度にたくさんの神経活動を記録し、2つの脳領域間での神経活動ダイナミクスの違いを詳細に解析しました。その結果、自発発火頻度の分布は、聴覚野、前脳基底部ともに対数正規分布を示しましたが、聴覚野に比べて、前脳基底部ではスパイクカウント相関が低く、局所フィールド電位に対する発火同調は主に低周波で起こっていることが分かり、聴覚野では複数の周波数で発火同調が起こっていることと対照的でした。これらの結果は、脳領域によって異なる原理に基づいて神経集団活動が起こっていることを示唆しています。

本研究成果は、2017年9月14日付で、科学誌Frontiers in Neural Circuitsに掲載されました。

論文情報:
Josue G. Yague, Tomomi Tsunematsu and Shuzo Sakata, “Distinct Temporal Coordination of Spontaneous Population Activity between Basal Forebrain and Auditory Cortex”, Front. Neural Circuits, 11:64. 2017
doi: 10.3389/fncir.2017.00064

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