東北大学
学際科学フロンティア研究所

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山本 英明 助教(新領域創成研究部)

2016.08.02

山本 英明 助教(新領域創成研究部)

『Applied Physics Letters』に論文掲載(2件)

 


 

学際科学フロンティア研究所新領域創成部の山本英明助教、電気通信研究所の庭野道夫教授、医工学研究科の平野愛弓准教授、福岡大学薬学部の桂林秀太郎准教授らの研究グループは生きた神経細胞を一細胞ごとに操作して回路を形成するための新しい表面加工技術の開発に成功しました。

パソコンやスマートフォンの心臓部である電子回路の素子を高性能化するために、エレクトロニクスの分野ではこれまで半導体材料や金属を微細なスケールで加工するためのプロセス技術が開発されてきました。今回、山本助教らはこの技術を生きた神経細胞を素子とする回路を作製するのに応用し、神経細胞が信号を伝達する向きを個々の細胞ごとに制御できることを実証しました。この成果により、脳神経回路の動作原理の理解が進み、また生体神経回路と電子デバイスとの融合技術の開発も加速することが期待されます。

本成果は、平成28年7月29日付けで、米国学術誌Applied Physics Lettersに掲載されました。

掲載論文:
H. Yamamoto et al. "Unidirectional signal propagation in primary neurons micropatterned at a single-cell resolution" Appl. Phys. Lett. 109, 043703 (2016).


 

生物の身体を構成する細胞は、細胞膜と呼ばれる脂質分子の膜で囲われています。今回、学際科学フロンティア研究所新領域創成部の山本英明助教、医工学研究科の平野愛弓准教授、電気通信研究所の庭野道夫教授らの研究グループは、生体細胞膜のもつ電気的絶縁性を工学的に利用することにより、薬剤評価系などに用いられている神経活動計測法の感度を従来手法に比べ大幅に向上できることを実証しました。これによって、これまでに計測不可能であった神経回路の信号伝達機構や薬理応答を調べられるようになると期待されます。

本成果は、平成28年1月11日付けで、米国学術誌Applied Physics Lettersに掲載されました。

掲載論文:
R. Matsumura, H. Yamamoto, M. Niwano, A. Hirano-Iwata "An electrically resistive sheet of glial cells for amplifying signals of neuronal extracellular recordings" Appl. Phys. Lett. 108, 023701 (2016).

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