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増本 博 教授(先端学際基幹研究部)
2016.07.06
増本 博 教授(先端学際基幹研究部)
『日本セラミックス協会 学術賞』を受賞
受賞日/2016年6月3日
学際科学フロンティア研究所 先端学際基幹研究部の増本 博 教授は、平成28年6月3日に行われた、公益社団法人 日本セラミックス協会 表彰式において、『第70回(平成27年度)日本セラミックス協会 学術賞』を受賞しました。
これは、「セラミックスの科学・技術に関する貴重な研究をなし、その業績特に優秀な者」に贈られる学会賞です。
業績題目:
誘電体-金属ナノ複相構造薄膜の創製と新規複機能物性
受賞理由:
増本 博氏は、これまで一貫して誘電体セラミックス薄膜に関連する研究を精力的に行い、当協会でのこの分野を牽引してきた。近年、誘電体セラミックスの中にナノメータサイズの金属粒子を均一分散した「誘電体-金属ナノ複相構造薄膜」に着目し、ナノ粒子間の量子効果を利用して、数々の高機能・新規複機能材料の創製およびその理論的解明において大きな成果を挙げてきた。特筆すべきは、「誘電体-貴金属ナノ傾斜複相膜による表面プラズモン光吸収特性の発現」、「立方晶SiCの高速低温酸化によるSiナノ粒子分散SiO2薄膜創製とPL特性発現」、「誘電体-磁性金属ナノ複相構造薄膜による広帯域・高周波軟磁性薄膜の創製」、などである。さらに、「誘電体-磁性金属ナノ複相構造薄膜による巨大磁気-誘電効果の発見」は、新しい分極(ナノ量子効果であるスピン依存電荷分極)メカニズムによる巨大誘電特性と、常温で磁気-誘電効果を示すことを発見し、(Nature Communications(2014).)に掲載されている。以上の業績を踏まえ、同氏を日本セラミックス協会学術賞に値するものとして推薦する。

授賞式にて。左:増本 博 教授、右:徳植 桂治 会長